言語を解する化け物

ブワァ、と、迷奇の横をすごい勢いで横切った風を、迷奇は見逃さなかった。

「おい!そこの化け物!逃げるな!」と、迷奇は叫びながら、その後を追った。

 しばらく追いかけていると、いきなり、部屋に入った。その部屋に、迷奇も入ると、そこには、今までとは比べ物にはならない化け物がいた。

「な、なんだこの妖気は・・・」と、動揺した迷奇に、化け物は、なんと、

「あぁ?ワタ、死、ノこェが、、きこ、キコえる、ノぉ?おおぉ?」と、流暢ではないが、人語を話す化け物がいた。その化け物は、女性で、体重が全然なく、肋骨が、見えそうなほど、皮しかない、やせ細った体系で、足より長い腕をしている化け物がそこにはいた。

「お前は、何者だ?今までの化け物とは違うように見えるんだが」と、迷奇が化け物に問いかけると、化け物は、冷徹な目で迷奇を見て、

「アァぁ????お、オ、オマエェェ、ユ、ゆる、ゆるさなーーーーーん。殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す。殺すーーーーーーーーー!!!!!!!!」と、殺気、狂気に満ち溢れた形相で、迷奇に襲い掛かってきた。迷奇は、その攻撃にすぐさま反応して、化け物攻撃を避け、後ろに回り込み、カウンターを仕掛けようとして、背中をいつもの化け物相手と同じくらいの強さで、殴ったが、その攻撃は、全く効かず、化け物は、体を回転させ、長い腕を生かし、迷奇を殴った。

 迷奇は、20メートルくらい飛ばされたが、壁に当たる瞬間、受け身を取り、最小限のダメージで済んだ。

「これは、やばいな。俺下手したら、ここで死ぬかもしれないな」と、余裕の表情が無くなり、迷奇もまた、冷徹な目で化け物を見た。

「アァ?なんだヨ、なんだヨ、何だよーーーーー!!!!!」と、怒り狂う化け物に、迷奇は、今までの動きとは思えないほど、凄まじいスピードで、化け物の顔面を殴り、持っていたナイフで喉を突き刺し、第二段階に、長い腕を勢いよく引きちぎり、止めに妖気の強い部位と、人間らしい姿をしていたので、心臓を一突きした。化け物は、為す術なく、やられるしかなかった。そして、最終的には、倒れてしまった。殺された化け物は、息の根を止め、原形をとどめていなかった。

「ふぅぅ、結構しんどかった。最初は、死ぬかと思ったが、何とか倒すことができたな。だが、微かに妖気を感じるな。。少し調べてみるか」と、安堵して、化け物に近づいて、調べようとすると、

「え?ちょっと待て、これどこかで見たことあるぞ」と、迷奇はまじまじと殺した化け物を見た。

「はっ!これ、入る前に館から出てきた人だ。てことは、俺は、人を殺したってことか?まさか、そんなわけが」と、膝を震わせ、跪き、嗚咽を零した。

「お、俺は、人を殺したのか?この手で?化け物だと思っていた、あれは人だったのか?どういうことだ?何が、どうなっている。う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!」と、嘆き、苦しみ、自分が自分に圧し潰されそうな気がした。

「これも、親玉の所為だな。そいつは絶対殺す」と、殺気に溢れ、迷奇は、親玉のところへと、向かい始めた。

―――その頃

「くっくっくっ、なかなか面白いじゃないか、迷奇。これなら会った時に、楽しめそうだな。あぁ、楽しみだなぁ。早く来ねぇかなぁぁぁ!!!!!!!」







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紅に染まる館 カキピー @kakipisan

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