好きになった相手がたまたま
<子供>を恋愛対象として見るってんなら、いや、
『好きになった相手がたまたま未成年だった』
ってえだけなら好きにすりゃいいさ。けどな、それと、
『手を出す』
ってえのは別だ。てか、本気で相手のことを思うなら、せめて十八になるまでは待てよ。
待てるだろ? 『本当に愛している』んならよ? 『大切にしたい』んならよ?
それを、
『待てない。無理』
とかホザくなら、
『付き合っていくなんて、ましてや結婚なんて、そもそも無理だ』
ときっぱり言わせてもらう。
だってそうじゃねえか。元々赤の他人同士だった奴が、ずっと一緒にいることになるんだぜ? 彼氏彼女がいる奴がどんだけ愚痴ってるよ? 既婚者がネット上でどんだけ愚痴を垂れ流してるよ? どんなに好き同士だろうが、そもそも生まれも育ちも違う赤の他人同士で長く一緒にいるとなりゃ<我慢>しなきゃならねえことだってあるだろうが。
つまり、
<我慢ができねえ奴>
なんざ、
相手が成人するまでのたった数年も我慢できねえような奴が、付き合ってから結婚してからいろいろある<我慢しなきゃならねえ状況>を耐えられるとでも思うのかよ?
ああ?
ま、そりゃ相手にもよるかもしれねえけどよ。でも、『相手による』からこそ、本気で大切にしてえ相手だからこそ、筋を通すってのが大事だとは思わねえか?
なあ? てめえはそれをきっちり親から教わってるか? 親はそれを教えてくれたか? 俺の親は教えちゃくれなかったけどよ。ちゃ~んと分かるように教えててくれりゃ、前妻と結婚なんかしてなかった気がするんだよなあ。
前妻は、<我慢できる相手>じゃなかったしな。先に前妻の方が限界がきちまっただけで、俺も正直、
『離婚してえなあ……結婚なんかすんじゃなかった』
と思ってたしな。だから前妻から離婚を申しだされた時には渡りに船だったよ。俺の方から言い出さずに済んだと思っただけだった。
こんな俺が羅美に対してなんで偉そうにできるってんだよ。俺にできんのはただ、彼女を受け止めるだけだ。しかも羅美は、前妻や長女と違って受け止められるんだよ。俺にとっては。そして羅美にとってもそうだから、<大虎>じゃなく<羅美>でいられる。だったら大切にしてえじゃねえか。
あん? 『親の所為にすんな!』『前妻の所為にすんな!』ってか? 確かにそうだよなあ? 『親が教えてくれてたら前妻と結婚なんかしてなかった』とか、『前妻が羅美みたいな相手だったら離婚してなかった』とか、確かに『親の所為』にしてるし『前妻の所為』にしてるのは事実だ。けどな、だからこそ羅美に対して『親の所為にすんな!』とは言わないんだよ。俺は。
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