第12話【超番外編】「お母さんが、拾ってきたオ●ン●ンは元の場所にもどしてきなさいって言うんです」
その日──勇奈の保健室に、別学校の制服を着た女子生徒が訪れた。
「
勇奈は別高校の制服を着た、愛夢をめながら缶コーヒーを飲んだ。
「本当なら他校の生徒の相談は受けないんだけれど……今回は特別よ、どんな悩み?」
「これなんですけれどぅ」
そう言って、愛夢は持参した小箱のフタを開けて中のモノを勇奈に見せた。
箱の中には、ピクッピクッ動くオ●ン●ンが入っていた。
頬を引き攣らせながら、勇奈は愛夢に訊ねる。
「なにこれ?」
「オ●ン●ンですけれど……見たことはありませんか?」
「それはわかるけれど、なんで動いているの?」
「少し前まで、あたしの股間に貼り付いていたんです」
頭を抱える勇奈。
「落ち着け、素数を数えろ……で、あたしにどうしろと」
「お母さんがオ●ン●ンを飼ってはダメだって、反対されていて……『ちゃんと、オ●ン●ンの世話ができるの?』『お母さんは、オ●ン●ンの世話なんて見れないわよ』って言われて……どうすれば、お母さんを説得してオ●ン●ンを飼うことはできますか?」
「お母さんの言うこともわかるけれど……かと言って、オ●ン●ンを道に捨てると増えてノラオ●ン●ンになっても困るから、去勢だけはしっかりしておきなさいよ……本当にあなた、オ●ン●ンの面倒が見れるの?」
「見れます、ちゃんと最後までオ●ン●ンの世話をします! でも……」
「でもなに?」
「お母さん、変なコトを言ったんです『お母さんは昔、愛夢が生まれる前に一本のオ●ン●ンで懲りているから。もうオ●ン●ンの面倒は見ないからね』と……アレ、どういう意味なんですか? お母さんもオ●ン●ンを股間に貼り付けていた時期があったんですか?」
「知るか! さっさと自分の世界に帰れ! そして、ちゃんとオ●ン●ンの世話をしろ! あなたがオ●ン●ンを股間に貼り付けた姿を見せれば、お母さんも飼うことを認めてくれるんじゃないの……知らんけれど」
~おわり~
保健室の先生【異布院勇奈】の勇者的な受難 楠本恵士 @67853-_-
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