第11話・久しぶりの竜崎黒斗からの刺客

 保健室に入ってきた女子生徒は、少し恥じらった表情で異布院 勇奈に告白した。

「驚かないでください、あたし前世では異世界で暗黒ドラゴン軍のドラゴン隊長やっていたんです……人外の赤色ドラゴンだったんです」


 椅子に座った勇奈は缶コーヒーを飲みながら。

「あ、そう」と、だけ言い放った。

「勇奈先生、あまり驚かないですね」

「どうせ、竜崎 黒斗りゅうざき くろとから、保健室に行ってあたしに相談するように言われたんでしょう……もう、アイツが送り込んでくる刺客のエッチな悩みにも慣れた。どんな悩みでもドーンとこいってんだ」


 変態生徒……もとい、性の悩みを抱えた数々の生徒の悩みを解決しできた、勇奈には「あれ以上の変態な悩みは、そうそう無いでしょう」と、いう自負があった。


 だが、今日保健室を訪れた生徒の悩みは、勇奈の想定を遥かに越えていた。

 モジモジしながら、女子生徒は勇奈の方にヒップを向けると、スカートの中のパンツを下ろして言った。

「あたし、どうしても人に向かって言いたくて仕方がない言葉があるんです……さらに言うだけじゃなくて、行動に移したい衝動が強くて……これから、その言葉と行動を示します」

「???」


 女子生徒が何をするつもりなのか、缶コーヒーを飲みながら眺めていた勇奈は、直後に最大の衝撃的なエッチな悩みに遭遇した。


 女子生徒は、いきなりスカートをめぐり上げると、白い生ヒップを露出させて言った。

「『あたしのお尻をナメろぅぅ』」


 飲んでいた缶のコーヒーを、口から吹き出す勇奈。

「な、な、な、な、な、な、な、なっ!」

「どうしても、言いたい衝動を抑えきれなくて『あたしのケツをナメろぅぅ』『あたしの尻をナメろぅぅ』勇奈先生……あたしどうしたらいいんですか?」


 なにがなんだか、よくわからない悩みだった。

(落ち着け……素数を、いやこれは数を数えて解決できる問題じゃない)


 女子生徒は白いヒップを振りながら、勇奈に迫ってくる。

「あたしのお尻をナメろぅぅ……勇奈先生、お尻をナメて、この変態衝動を満足させてくださいナメてもらえれば、しばらくは落ち着いていられるので。このままだと学業にも影響が出てきます」


 勇奈は決断して、女子生徒のヒップをつかむと唇を近づけた。

 その時、保健室のドアが開いて膝を擦りむいた男子生徒が入ってきた。

「勇奈先生、転んで膝を擦り剥いちゃい……まし……た」


 勇奈と女子生徒の現場を見た男子生徒は、無言で数歩後退すると、保健室のドアを静かに閉める。

 慌てて男子生徒に向かって説明をする勇奈。

「ち、違うの! これは、女の子のお尻を……うぷッ」


 女子生徒は、勇奈の顔にヒップを押しつけた。


  ~おわり~

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