第10話 マンドラゴラ君の種植え〜後編〜

着きましたガーデニング専門店・ウィッチフラワーに。


「なんか名前通り魔女っぽいですね外観が」


「だな。本当の魔女が運営してたりして」


「それはないですよ」


「自称錬金術師のお前が言う? 」


俺たちが来店するとと漆黒のとんがり帽子と漆黒のワンピースを着た女性が出迎える。


「我はウィッチフラワーの最高魔女、ユリア! 君たちの来店はこの水晶が知らせてくれた! 」


「帰るか」


「そうですね。ホームセンターに行きましょうか」


俺たちが店を出ようとすると自然と鍵が閉まった。


「ふははっ! これでお前たちは帰れまい! 」


「ピッキングしますか? ちょうど細い針持ってるんですよ。それも2本」


「だな。できるか? 」


「もちのろんです」


「お願いだからまって! 行かないで! からこれ1ヶ月もお客さんが来てないの! もう赤字寸前なの! だからなんか買ってよ! 」


ユリアは俺に縋り付いてくる。


店主が縋り付いてくるケースなんて人生で今だけだろう。


「なあ、なんか店主可哀想だから見ていくか? 」


「……しょうがないですね。見ましょう」


「ありがとぉ〜! 」


〜30分後〜


「あ! これマンドラゴラ君にピッタリかもです! 」


「デザインがなんか怪しげというかなんというか」


「私、これがいいです! 異論は認めません! 」


レジに怪しげなデザインの植木鉢を持っていく。


「これは5000円だな。毎度ありっ! それと、マンドラゴラと聞こえたが専用の肥料はどうかな? 3500円だが」


「あ、私錬金術師なんで肥料程度なんとかなりますので結構です」


「ほう、魔女の下位互換か。でも、お前が決めてもいいのか? 隣の男の決断を訊かなくても」


「要りませんよね? ね? 」


「買っておこ「要りませんよね? 」」


満面の笑みを浮かべながら圧をかけてくる。


どんだけ買って欲しくないんだよ。


「うちの自称錬金術師が要らないと言っているので今回は遠慮しておきます」


「そうか。必要になったらいつでも来い。売ってやる」


「ありがとうございます」


俺たちはガーデニング専門店ウィッチフラワーを後にした。


〜植え終わった後〜


「名前は『突撃特攻マンドラゴラ君』でどうですか? 」


「いいんじゃね? 」


「なら決まりですね♪ 」


元気に育っておくれよ? 突撃特攻マンドラゴラ君。

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管理人さんと自称錬金術師との日常生活 猫と犬が好き @nikuoisi

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