第12話 男と男の真剣勝負!? 〜 バスケと共に 〜
二人の勝負当日。
私は広場に行った。
「ルールは、先に10点以上入れた方が勝ち!3ポイントは無効!制限時間は20分!」
劉樹君は言った。
「良いぜ」と、夕飛。
二人は勝負をする。
お互い、一歩も譲らず、点数を入れては、点数を入れ返すという互角だ。
2人の姿は、部活の時と変わらない真剣さで闘うも、
「夕飛っ!…お前…真剣に勝負してないだろう?」
《えっ…!?…嘘…!?》
劉樹君の意外な言葉に驚く私。
点数は、現時点で、劉樹君が既に8点。
夕飛は、4点。
差が出ている。
《…全然…見抜けなかった…》
「俺と、力はそう変わらないはずだけど?何、遠慮してんだよっ!何の為の勝負なんだよっ!夕っ!マジになんなきゃ…負けちゃうよ?…それとも……計算なのかな?」
「………………」
そう言うと、劉樹君は、3ポイントのシュートを決める。
ダンダン…コロコロ…
リングに入ったバスケットボールが静かに私の足元に転がってきた。
私はバスケットボールを手に取る。
「今のは無効…真剣勝負なんだからっ!本気でぶつかって闘いなよっ!…それとも…真央ちゃんに対する想いは本気じゃないの?」
「違っ…!」
「だったらっ!マジで闘いなよっ!誤魔化さないでさっ!…そうでなきゃ…俺がマジで、山戸 真央の心も全て奪うけど良いの?」
ドキン…
「…劉…樹…君…」
「今…迷いの中にいる真央ちゃんの心を俺が自分の方に引き戻しちゃうよ?…つーか…夕飛に渡す気ないから俺。独り占めするけど?指一本触れさせないよ?」
「お前に渡すわけにはいかねー。俺だって真央が好きなんだからな!」
ドキン…
「…だったら…遠慮するなっ!つー事で更に5点以上追加!制限時間は…10分!」
二人は再び闘い、結果はドロー。
やっぱり、二人は凄いし、互角だ。
私は2人の姿を見ていて色々と考えていた。
そんな2人も悔いが残っている様子なんてなく、恋愛は二の次。
彼等は…
バスケに対する思いは本気で、私の英雄(ヒーロー)。
数日後―――――
「どうしたの?俺達、呼び出して」と、劉樹君。
「まさか2人と付き合うとか言うなよ」と、夕飛。
私は2人の手を取り、私は自分の手を重ねた。
「私、二人を選べない。だからって、一人だけを選べない。私は…今の関係を壊したくないから」
「真央…」
「真央ちゃん…」
「私は2人に愛されて凄く嬉しかったよ。でも…今、こんなにスッキリとしている自分がいて、こう言える自分がいる。二人に恋愛は後ででも遅くないよ」
「えっ…?」と、劉樹君。
「どういう事だよ」と、夕飛。
「今はバスケだけに生きて欲しいの。劉樹君も夕飛も、まだ恋愛は必要ないよ。二人は私の英雄(ヒーロー)だから。夢に向かって世界に進出して!」
「えっ?じゃあ…俺達がした試合って…」と、夕飛。
「良いんじゃない?選ぶのは真央ちゃんなんだから。第一、真央ちゃんが決めた事に文句なしの賭けだったんだし」
そして私達3人は、今の関係を続ける事にした。
インターハイ。
選抜etc.
それから、夕飛と劉樹君は、世界進出に向かって、着々と名を挙げ有名になっていくのだった。
〜 E N D 〜
恋のダンクシュート ハル @haru4649
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