月と陰

遠藤渓太

月と陰

まだ日が暮れない。夜空に浮かぶ、月に夢見る時間はいつ訪れるのだろうか。

友との別れも、訪れる季節だ。季節の変わり目と同時に友人は僕の前から姿を消す。

それは、あの人についても同じだ。

何か、別れが無くなるような、無くならなくても笑って終を迎えられるような、おとぎ話のハッピーエンドを求めていた。いつの間にか、月に願うようになっていた。遥かなる大地に。

月を眺めると、満ちた月を眺めると、その美しさに、周りの星が虚しく見える。

常にエネルギーを放ち、どれだけ僕等が頑張ろうとも、目立つのはいつも変わらない。

それは心の大きさも表している。大きい器で周りを照らせるあいつが、月のような輝きを得るのは、当たり前といえば当たり前だ。

君が恋をするのも。


何故こんなとこに連れてきたかって。

君がそんなにも僕を惑わすのが悪い。

君の愛する人と僕がかけ離れていても、こうして君とここにいる。それは仕方ないだろう?今でも君から目が離せない。

今だけでも、僕を見て欲しい。その気持は変わらない。君の愛する人に願う僕を、醜いと思うかい?そうだよな、、、

でも、君くらいの輝きは見せられないけど、冬の大三角のような輝きを見せることは叶わないけれども、ふと下を見て、そのベンチの影にいる、僕を見てくれませんか?

叶わない夢なら、言わなければ気が済まない。


今日はこんなにも、

月が綺麗なのだから。

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月と陰 遠藤渓太 @niseZidan

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