第384話 最後の恩寵
このルオ・ノタルの地に設置されている残り全十二体を全て起動停止させ、完全に破壊することにした。
今回のようにこの異世界外の何者かによって悪用されることを防ぐ狙いがあり、それと同時にこの世界に住まう人々の能力的な平準化を図る狙いがある。
この措置により、ルオ・ノタルの世界には、リタなどのスキルに寄らなければ人工の魔物は新たに生み出されることも無くなり、恐らく少しずつ魔物の頭数は少なくなっていくのではないだろうか。
≪
こうして、クロード達は≪次元回廊≫を使い、世界各地にある十二体の≪
トラブルも特になく順調で、その作業には半月とかからなかった。
≪
怖かったのだ。
見ず知らずの何者かによって、自分の有様を好きなように変えられてしまうことが恐ろしくてたまらなかった。
このルオ・ノタルに、そして自分自身に対して、別次元別世界から介入するための手段をすべて封じておきたかったのだ。
アヴェロエスを≪
彼の鑑定スキルは、リタのそれより優れており、≪御業≫についてはわからないものの、EXスキルまでは全て把握することができる。
名前:クロード
恩寵:15→99
種族:識別不能(文字化け)
筋力 - 999
敏捷力 -999
耐久力 - 999
知覚 - 999
魔力 - 9999
魅力 - 48
≪スキル≫
異世界間不等価変換(ガイア→ルオ・ノタル)、頑健LV5、五感強化LV5、多種族言語理解LV5、危険察知LV5、馬術LV4、投擲LV5、魔力感知LV5、古代言語理解LV5、毒耐性LV5、剣術LV5、魔力操作LV4、精神防御LV5、狼爪拳LV3、政務LV3、手加減LV4、水泳LV5、魔道LV1、弓術LV5、軽業LV5、漁師LV5……
≪EXスキル≫
異次元干渉、神喰、次元回廊 、自己再生、異空間収納、鑑定眼(全技能)→鑑定眼EX、精神支配、透視、スキルコピー
能力値はそれぞれの最大値と思われる数値でカンストしていた。
魅力については肉体再生の際に、少し自分の容姿を美化しすぎてしまった結果ではないかと少し恥ずかしくなった。
自分が思い描く自分の姿を忠実に再現したつもりであったが、前回の肉体のときより造形が少し良くなってしまったかもしれない。
整形したみたいで少し気が咎めるが、シルヴィアに聞いた感想としては以前とほとんど変わっていないということだったので安心した。
内面の人間的な魅力が増した可能性もゼロではないし、とりあえずそういうことにしておこう。
スキルは八十四個、レベルアップした分しっかり増えていた。
スキルが欲しいと望んだわけでなく、押し付けられた形なので正直うれしくはない。
増えたのは通常スキルがほとんどで、いつ使うのかわからないものも多く、正直覚えておけない。
その一方、EXスキルの方はそれほど増えなかったようだ。
数が少ないからこそ特殊なわけであるから当然と言えば当然だが、記憶と引き換えだったわけだし、通常スキルとの比率はもう少し何とかならなかったのだろうか。
≪鑑定眼≫については、人間の、しかもスキル限定の鑑定であったものが、ありとあらゆる対象の能力値込みの鑑定にランクアップしていた。
つまり今後はゲイツに頼らなくても自分のステータスを見ることができるし、よくわからないアイテムなどの詳細もわかるようになった。
他に精神支配、透視、スキルコピーといった見るからにやばそうなスキルも加わっていたが、使いどころについては自分なりに制約を設けないと道を踏み外してしまいそうだと思った。
今の肉体は、予想通り≪肉獄封縛≫が発生しなかったので≪御業≫を使い、自力再生させたものだが、クロードの≪神格≫が肉体に定着すると≪恩寵≫による効果の実感が現れだした。
この肉体は、いわばただの器であり、その性能は宿るクロードの精神体に依存しているのだろうとゲイツは、その数値のあまりの高さに驚きながらも私見を述べていた。
普通の人間は肉体の死と共に魂の消滅を迎えるので確かめようがなかったが、不死者たるクロードの事例により≪恩寵≫の効果は、肉体に直に及ぶのではなく、肉体の設計図である精神体に与えられたものであることが立証されたらしい。
「魂が先、肉体が後」であることがわかったのだとゲイツは付け加えたがどうにも話が難しかった。
ただ、肉体に優先する魂を改ざんされたのだと思うと余計に恐ろしく、あの≪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます