第333話 二つの選択肢
マザ・クィナス曰く、クロードがこの先何を為すべきかは二つの選択肢があるのだという。
一つ目は第二天の神に昇格し、新たなる階層で≪世界≫を作り、更なる上位次元の神となることを目指すというもの。
この場合は、今いるこの≪世界≫を
二つ目は、このまま最下層次元の第一天に留まり、第一天の下に新たな次元階層を開くための挑戦を続けるというものだ。
どちらを選ぶかはクロード自身に委ねられているそうなのだが、一つ目の選択肢は検討に値しない。
愛するシルヴィアや親しい者たちが生きるこの≪世界≫を無くすることなどできるはずが無いし、何より第二天の神に昇格することなどに興味は無かった。
「二つ目を選ぶ。この≪世界≫は清算しない」
クロードの即答に、第三天の神エナ・キドゥが口笛を吹いて、驚きを表す。
マザ・クィナスは一瞬、エナ・キドゥを睨みつけたが、
「困難な方の道を選ぶか。その道は如何なる神も為しえてこなかった大業だ。かつて≪大神界≫は今のように十一の階層に分かれてはいなかった。そして神は≪唯一無二の
マザ・クィナスは話疲れた様子もなく、人懐っこい笑みを浮かべるとつるりとした頭を掻いた。
まだ話す気のようだ。
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