Anothe story12〜文化祭本番編7〜
体育館へ戻ってきた詩花たちは楽しそうに話ながらステージ上に設置されたスクリーンを見つめていた。
「ねぇねぇあのスクリーンって……」
「あれで結果発表するんだよ。去年もそうだったな……」
「へぇ……」
詩花は蓮からそう聞くとスクリーンを見つめながらどんな風に発表されるのか少しワクワクした表情を浮かべた。暫くするとブザーが鳴ったあと2人の生徒が出てきた。
「おまたせしました!それではこれより各部門の優勝を発表したいと思います!」
その言葉を聞いて周りから歓声が上がり一気に盛りあがった。出店部門や他の部門の優勝クラスが発表される中、ついに待っていた舞台部門の番がきた。
「さぁ次は皆さんお待ちかね!舞台部門の優勝クラスを発表したいと思います!」
「今回の舞台はかなりのハイレベルで私たち実行委員や先生方もめちゃくちゃ悩んでました」
「さぁ栄えある優勝クラスは一体どこなのでしょうか!」
そう生徒たちが告げたあとスクリーンに次々とクラスが発表されていった。
「ま……まだ私たち呼ばれてないよね?」
「これもしかするともしかするんじゃない?」
「さぁそろそろ第1位の発表です!」
「栄えある優勝クラスはー?」
生徒の言葉の後にドラムロールが鳴り響きすぐに優勝クラスが発表された。
「優勝は2年A組!タイトルはシンデレラです!」
「やったー!詩花ちゃん聞いた聞いた?!優勝だって!」
「では優勝した2年A組の代表者はステージ上に上がってきてくださーい!」
その言葉を聞いた詩花はクラスメイトに促され蓮と一緒にステージへと上がった。
「えーそれでは一言ずつどうぞ!」
「えっと……シンデレラ役の皇 詩花です。優勝出来てとても嬉しいです投票してくださりありがとうございました!」
「王子役の杠葉 蓮っす。えーっと……優勝出来たのは嬉しいです。あっあと詩花は俺のだからな!詩花のドレス姿見て惚れた男子の人達は狙わないように!」
そう言って蓮は詩花の手を取り軽く手の甲へとキスを落とした。すると体育館は歓声が響き詩花は顔を真っ赤にさせ口をパクパクとさせていた。
「えー……なんか砂糖の塊をぶつけられた気分になりましたが優勝した2年A組の皆さんおめでとうございました!」
その言葉で結果発表は終わり賑やかなまま詩花達は後夜祭が行われるグラウンドへと向かった。
義足の少女は恋をする 華柏(こはく) @kohaku_1105
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