努力することが好きだと言う人は、一度宇宙飛行士の試験でも受けてみてはいかがでしょうか。


 別に宇宙飛行士になりたくない?そうでしょう。それと同じです。


 私が努力したくないのは、別に努力して何かをやりたいわけではないからです。


 本質は努力の先にある何かに対して何の熱意も無い事です。


 今の話です。


 ○


 就職して間もなく四年が経つ今、こうして中高を振り返ってみれば、今の私が形成されたのはいつ頃からかが見えてきます。


 見えてはきますが、なぜこうなったのかは分かりません。

 考えるのも面倒なので考えません。


 東京で見える建物はみんな高いです。


 地元では考えられない高さです。


 夢を持って同じように上京してきた友人は、ぽつぽつと仕事を辞めて地元に戻ったり、東京を離れていきます。


 趣味だったゲームは、最近全く楽しくありません。


 思えば、ゲームプログラマーになりたいと言って高校に入学しましたが、今私は何をしているのでしょう。


 全く関係ない仕事をしていますが、夢なんてものはそういうものなんでしょうか。


 趣味が無くなりました。


 休日は酒を飲むか、ひたすらにインターネットの海を泳いでいます。


 共に遊ぶ友人がいなくなり始めました。


 みんな自分の趣味に夢中だったり、パートナーを見付けたり、そもそも東京にいなかったりします。


 煙草を吸う本数が増えました。


 ギャンブルをするようになりました。


 お金が無くなり始めました。


 面倒事も努力も嫌いで、惰性で生きてきた人生です。


 何も楽しく感じなくなりました。


 新しく何かを始めることが億劫です。


 何も楽しく無くなりました。


 旅行が好きでした。


 人の多いところで何かを見るのが好きでした。


 何もできなくなりました。


 私は、一体、どこへ行くのでしょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空白 北海ハル @hata

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ