第7話
明りが近づくとそれは簡易的な柵の上に吊るされたランタンであることが分かった。
そしてその柵の所々には異世界人が乗っていたバイソンが繋がれて砂をほじくりかえしている。
先に行った異世界人が触れ回っているからか
私と異世界人たちは特に止められることもなく柵の中にに入った。
きっと遊牧民のような生活をしているのだろう、
異世界人の村はテントが何軒も建っているものだった。
前にテレビで見たことがあるモンゴルの遊牧民が使うテントによく似ていた。
ただ、家畜の類は先程のバイソン以外に見えなかったことから彼らにとってバイソンは食料兼移動手段という位置づけなのだろう。
テントの隙間からは明りが少し漏れており、中からはこちらへの視線と声が聞こえてくる
どうやら歓迎ムードではないようだ。
「f7h」
異世界人は私を急かして村の中心へ促していった。
村の中心にあったのは直径10mもある巨大な穴だった。
彼らが作ったのかどうかは不明だが穴の中を覗いてみると先が見えず、
時折ブォー、という音とともに臭気をおびた温風が吹きあがってきていた
「3cbいqw」
異世界人が指さしたのは穴の淵に建てられたこれまた粗末なお立ち台だった。
お立ち台といっても昔学校で見たような木や金属でできたものではなく
何かの大型動物の骨で組んであるようだ。
その周りや上には異世界人の身に着けているものと同じような布が敷き詰められ
蝋燭であったり、壺だったりが置かれていた。
それは、宗教などかじったことがない私でも何かへの捧げものであることが分かった。
「あれの上に立てばいいんですかね?」
「f7hd¥」
彼らの言葉は分からないが、棒を持ってお立ち台の方へ追い詰めてくるのできっとそういうことなんだろう。
巨大な穴の淵に建ったお立ち台、捧げもののような壺、蝋燭
お立ち台の上に立つよう強要される。
いつの間にかテントの中にいた異世界人も外に出てきており、
この穴の周りに集まってきていた。
ああ、これは奴隷ルートでも戦場での肉壁ルートでもないようだ。
どうやら私は変な儀式のイケニエになるようである。
努力で補う異世界B級サバイバル物語 夏男 @kao-summer-season
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