第30話 物語の栞 8 - 6(その他の陣営編)
『プロイセン』
□フリードリヒ2世→(14歳)1月24日生まれ。
・未来のマリア・テレジアの宿敵。今現在はフリッツ王子と呼ばれている。のちのフリードリヒ大王(予定)。マリア・テレジアの不倶戴天の敵。このお話では、すでにマリア・テレジアを憎み、いつかオーストリアを手に入れる野望を抱いている。今現在は、史実通り父王に、絶賛虐待されている途中。
・マリア・テレジア(改)に、いつかポテトチップスにしてやるなんて、命をロックオンされていることは、当然まだ知らない。
・マリア・テレジア(改)がつけたあだ名→『ポテチ』
・語学力→イタリア語☆(話せない)、フランス語★★★(読むことや書くこと、話すことはできるが、なまっている。)、ラテン語☆(話せない)、ドイツ語★★★(読むことや書くこと、話すことはできるが、なまっている。)、スペイン語☆(話せない)、ハンガリー語☆(話せない)
・ウィーンで素晴らしいフルートを手に入れたが父にはもちろん内緒。
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□カッテ→ハンス・ヘルマン・フォン・カッテ。フリッツ王子の親友。王子の心の支え。
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□カイト→同じくフリッツ王子の親友だが、少し王子の行動に懐疑的。
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□軍人王、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世→(37歳)8月14日生まれ。
・フリードリヒ2世の父親、自分がプロイセン王に即位するとき、祝ってくれたカール6世を崇拝している。妻や息子、娘に鬼厳しい倹約家。城の庭は花壇ではなくキャベツ中心の野菜畑。フランスが大嫌い。
・宝物は、カール6世からのプレゼントのメシャム(海泡石)でできたパイプ。メシャム(海泡石)→日本では海泡石と呼ばれる天然鉱物。海泡石の微細な多孔が、タバコの雑味を吸収し、マイルドな喫味が味わえるステキな逸品。
・超ヘビースモーカー。彼の会議は通称タバコ会議と呼ばれる。
・ 1740年5月31日死亡予定。
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□ゾフィー・ドロテア王妃→ゾフィー・ドロテア・フォン・ハノーファー。ヴィルヘルム1世の妻で、フリードリヒ2世たちの母。兄はイギリス王ジョージ2世。
・史実とは違い、親戚の遺産を早々にゲットして、キャベツ城の離宮で、別居生活を満喫中。
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□ヴィルヘルミーネ→フリードリヒ2世の姉。今現在は、イギリス王太子と婚約中。
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□ハインリヒ→フリードリヒ2世の弟(5歳)8月3日生まれ。
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□金の風見鶏
・なんでも金次第で引き受けるとウワサの多国籍情報機関 兼 なんでも屋。シュレージエンに本部を構えている。
・金の風見鶏首領→不老不死とのウワサがある、かのサンジェルマン伯爵。
・いまのところ、誰の味方でもなさそうではあるが、欧州の騒乱が大好きな模様。
🔔サポーターさま限定小説で、今現在、伯爵が絡む「ガラガラ事件」の連載が、はじまっていますが、「喫茶ドナウの夕焼け」で、伯爵が、マリア・テレジアと、マリアンナを間違っています。実は、ポンコツ?
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・部下1は、普段サンジェルマン伯爵の身代わりをしたりしている。
・部下2の名前はロベール。
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『イギリス』→このお話『テレジア奇譚』では、イギリスに関してもハンガリー同様に、いろいろとばっさりいくと思います(予定)
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□トマス・ロビンソン駐墺大使→オーストリア駐在大使、本国の用事以外にも、たまに国王の妹、プロイセンの王妃の用事までこなしている多忙を極める男。
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□イギリス国王ジョージ二世→国民につけられたあだ名:小粋なジョージ。(史実より前倒しで即位しています。)
・王妃キャロラインを心から愛しているが、女遊びが激しく、性格は短気で要取扱注意人物として知られている。今現在は、オーストリアに借金をし、うしろで握手をしながら、スペインと殴り合い(戦争)中、多忙を極めている。
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□キャロライン王妃→ジョージ2世の王妃、イギリス貴婦人の鏡、イギリスの美しき薔薇、優雅を極めた白鳥と言われる知性と美貌を兼ね備えた賢王妃。
・夫の女遊びも基本は鷹揚に受け止めている。
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□ロバート・ウォルポール→キャロライン王妃のもとで、イギリス議会で頑張っている首相。王とは、あまり気が合わない。
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『フランス』
□〈故人〉『
・欧州を掻き回すだけ掻き回し、フランスに絶対王政を敷いていた。
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□ルイ15世→15歳、フランス王『最愛王』
・最近、初めての子ども『マダム・プルミエール』こと、
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□枢機卿フルリー→実質的なフランスの宰相。吝嗇家と評判。
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□王妃マリー・レクザンスカ→ロシアのせいで亡命中だった、元ポーランド王の元王女。持参金0。プライスレスで、跡継ぎを産むことだけを期待されて、フランスへ嫁いで来たが、意外にもルイ15世に溺愛されている。しかしながら、フランス王妃にしては、ショボすぎると、国民には不人気。
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『ロシア』
□ロシア皇帝ピョートル1世→史実では、去年の新年早々に没したはずが、このお話では、まだ生きています。
・ロシアの近代化を図り、頑張って頑張って、ロシアを欧州に寄せようとしているが、物理的にも寄せてくるので(侵略)周辺諸国は、大迷惑(災厄)を被っている。
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□アンナ→エリザヴェータの姉。賢く思慮深く美しい。
・お手紙魔。
・父が決めた婚約者を、しょうもない貴族と、妹にくさされている。
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□エリザヴェータ→フランスに、肖像画お見合いすら、門前払いされてから、フランスを呪い、心の底から憎んでいる。
・未来ではロシア女帝になるはず? の美少女。
・声がデカいと父に怒鳴られることも、しばしばであるが、父親譲りだと周囲は思っている。たまに、田舎臭さ? (ロシアなまり)が言葉に出ていると、姉に注意されている。
・キメ言葉は「きゃはっ!」
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□エカチェリーナ→ピョートル1世の平民出身の妃。このお話では残念ながら? エカチェリーナ1世に、まだなっていません。先行き不透明。
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□〈故人〉第一皇子アレクセイ→父親のピョートル1世に、ク〇の方が余程マシ! そんな評価を受けていた問題児。
・父親が叱りつけようと呼び出したところ、ロシアから逃げだして、不仲であったが亡き嫁、シャルロッテの姉、皇后リースルとのツテを頼りに、カール6世のところに逃亡したが、さっさと送り返されて、父親への恐怖のあまり、死刑宣告を出されていたのに、結局その前に心臓発作で、あの世に旅立って亡くなった。
・マリア・テレジアの母方の義理の叔父。少しかすっているような、ないような親戚(過去形)
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〈 小話:プリンツオイゲン一代記:6 〉
1684年の夏、ハンガリーで、オスマントルコを撃破したにも関わらず、オイゲンたちは、とんでもない苦難の道を歩んでいた。
これまでの両者の戦争でハンガリーは荒廃し、オイゲンたちボロボロの疲れ切った残存部隊は、冬のまともな宿営地すら用意はできなかった。
「なんでも御馳走! ワインが今日もおいしい!」
「泥水でふやけていないし、泥もついてないじゃないか! それならこれは御馳走!」
彼らは、エステルハージ侯爵家が、無償で提供しているワイン樽に入っている美味しいワイン、それと、カッチカチのちょっぴりだけのパンをひたしたのを前に、毎日そんなことを言って、自分たちの折れそうな心を、必死でごまかしながら、日々を送っていた。たまにある、エステルハージ侯爵や、ハンガリー貴族たちが、なんとかかんとか調達している、自分たちの食料から、ひねり出して分けてくれる、そんな差し入れだけが、心の支えであった。
やがて、プリンツ・コンティも、案の定、所業がばれてしまい、再びフランスへ帰国させられる。
そんな中、竜騎兵の指揮官に昇進していたオイゲンも、「用事があるから、ウィーンに一旦帰ってこい」と命令を受けたので、ハンガリーを離れることになっていた。
「でも、ウィーンに家、ないんだよね、てきとうな宿屋でも探すか……」
オイゲンは、「宿代は足りるかな?」そんなことを心配していた。彼は、収入以上の金を、自分の連隊につぎ込んでいたので、いつも金欠、そしてすってんてんであった。
幸い、スペイン大使館が、「ウィーンにいる間は、いつでもうちに泊まって下さいよ! もちろん、3食お食事も、ご用意いたしますよ!」そんなことを言ってくれたのではあるが、そんなに、いつもいつも、いつまでも、お世話になっている訳にはいかない。
それに、なんとかハンガリーに残った自分の部隊に、なにか、「おいしいしい物を、早く沢山届けてやりたい」と、心から強く思っていた。国庫は常に空なので、アテにはできなかった。
「どうしたものか……金、金、世の中は何をするにも金がいる……うん? そういえば……いいことを思いついた!」
いいことを思いついた彼は、ウィーンでの用事が済んでから、イタリア、つまり父の出身であり、自分のいまの肩書である、「サヴォイエン=カリグナン」サヴォイエンつながりで、サヴォイエン本家の大公である、「ヴィクトル・アマデウス」から、金をむしりとることを思いついていたのである。大公にとっては、いいことでもなんでもなかった。
【時代はマリア・テレジアが六歳の頃に戻る】
「いっつも、いっつも金欠で、申し訳なかったわね。今度臨時給付金出すわね、恥ずかしい……」
「いやいや、いまはもう、懐かしい思い出話! 最近は、基本給がぐんと上がっておりますから、お気遣い無用です! それに、本家の大公が、実に気前のよい人物で、金貨がつまった箱を沢山、その上、修道院2件からの収入を、独身の間は永久保証にしてくれまして! 連隊にはすぐにそれで、食料を山積みにさせた、大規模な
「それは良かったわ……またね……」
オイゲン公が消えてから、マリア・テレジアは、父のカール6世といい、兄弟そろって経済オンチだったのか……と呆れていたが、それにしても、サヴォイエン本家の大公は、まさかここまで、オイゲン公が「独身を貫く」とは、思っていなかったんじゃない? 眉をよせて、そんなことを考えていた。
彼女の夢の中では、ボロボロの兵士たちが、届いた沢山の御馳走を、うれしそうに、ほおばっていた。
なお、このとき、実はオイゲン公は、あの母オランピア・マンチーニと、再会を果たしていたが、当然のことながら、両者の間に横たわる深い溝は、埋まらなかったのである。
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