あなたが差し出すその優しさは、本当に差し出した相手に向けられていますか?
この物語はまるで、そんなことを問われているようで、どきりとする。
世の中に、優しさは溢れている。
でもそれらは本当の意味で、それらを差し出した相手にまっすぐ向けられているだろうか。
差し出した優しさへの、フィードバックが欲しい。
差し出した優しさは、私を“良い人”として飾ってくれる。
そんな欲求がそこに、溶けていない?
そんな囁きが聞こえてきそうで、思わず自責してしまう。
たった一度だけ。
与えられた大事な大事なその“権利”を、最高の形で差し出す主人公の粋なはからいを、ぜひ覗いて欲しい。