第2話
何が何だか分からず立ち尽くしていると、怪獣の横から私が持っている刀と同じように光る武器を持った人たちが現れた。それぞれが飛び交い見たこともない動きで攻撃してゆく。するとバランスを崩したモンスターが私の目の前に倒れた。
「いやぁ!」
私は無心に走り出したが、私の声に反応したのか怪獣が四足歩行で追いかけてきた。
「技を繰り出せ!」
一人の青年が叫んでくるが何のことか分からない、目の前の画面に技が書かれていると言うが走っていてよく見えない。とりあえず何とか読めたグラトニーと叫んでみると、急に足が止まった、体が勝手に動いている。突進してくるモンスターをヒラリとかわすと斜めに飛び上がり、体が回転しながら怪獣の体を切り裂いた、その隙間から光る玉が見えた。
「その球を壊せ!」
勢いよく双剣を振りかざしたが、怪獣は走り出し、近くの店の一階部分を壊して逃げて行った。
「やばい!だれか襲われる前に行かないと!」
私は足が震え、その場に立っていられなくなりへたり込んだ。そこへ一台の軽自動車が猛スピードで現れた。
「乗れるだけみんな乗れ!言った通り持ってきたぞ!」
「お姉さん立てる?」
「ともかくここも安心か分からないから車に乗って」
矢継ぎ早に言われ、引き摺られるように車に乗せられた、軽自動車に五人も乗ってしまった。
「私は降ろしてください」
「いや今何が起きてるのか分からないからハンターは取り合えず乗っててもらう」
「ハンター?」
「ステータスにそう書いてあるだろう」
「そんな、なんだかよくわからない事に巻き込まないで下さい、子供の安否を確認したいので降ろしてください」
「子供がいるのか?」
「はい、今保育園のはずです」
「悪い、とりあえずあいつをやっつけてからだ」
そんな、と思っていると先ほどのモンスターが見えた、小学生の集団に突進しているところだった。
私は一瞬わが子に見え、ドアを開け技の名前も呼ばず両腕を突き出し回転しながら怪獣に双剣を突き刺し、足を使い抜き取る瞬間そのまま飛び上がり、先ほどのグラトニーを食らわし、玉がはじける音がした。
「あなたたち大丈夫?」
「まさ君が、食べられちゃった」
子供たちがそう言って泣き出すが、怪獣は完全な霧になり玉を残して消えてしまった。
世界中の人がゲームプレイヤーになった日 天津滝三五 @japanready
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