KK団のどきどきデート尾行

「あぁっ! 葉月が地図を!」

「せっかく歓太郎が作ったのにー!」

「さすがは葉月だな、抜け目ないぜ……」


 彼らの姿がなぜ葉月と慶次郎に見つからないのかはさておいて、KK団もまた、しっかりとどろろんランドに入園していた。


「ねぇ、どうする歓太郎?」

「大丈夫なんですか?」

「おれちょっと行ってくるか?」


 ナンパ(逆ナン)対策として、バリっとした黒服姿のケモ耳達が、どっかの組の姐さんかと思うような凄味のある和服姿の歓太郎に詰め寄る。もうどこからどう見ても堅気じゃない雰囲気の四人に近付く勇者はいない。ただ、このメンバーがなぜこんな遊園地にいるのだ、とすれ違う人達が奇異の目を向けて来るのだが、そんなことを気にするような面々でもない。


「大丈夫大丈夫。はっちゃんのことだから大方、俺のプロデュースが気に入らないってところだろ。問題ないって」


 手を当て、ほほほ、と品よく笑うが、人を一人か二人殺してきたかのような悪い顔の歓太郎に、大丈夫かなぁと組の若い衆風三人組ケモ耳ーズは心配そうに視線をかわした。


「ちなみにさ」


 おパが、おずおずと問い掛ける。


「もし、逆から回ったらどうなるの?」

「うん? まぁ――」


 天を仰ぎ、ふむ、と頷いて、歓太郎は言った。


「ちょっとヤバい、かな。でもまぁ、慶次郎だし、何とかなるだろ」


 その言葉にケモ耳達は、そりゃ何とかなるかもだけどさぁ、慶次郎だよ? と思ったが、あえて口にはしなかったという。

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