KK団のわくわくデート尾行
「……気付かれてないか?」
「ばっちり! 大丈夫だよ!」
「ものの見事に振り返りもしません」
「さすがは慶次郎だな」
「よし、行くぞ」
今日こそはカップル成立するのでは、という葉月と慶次郎の遊園地デートである。
微妙な距離を保った状態で歩き始めた二人の後ろをこっそりとつける者達の姿があった。
メンバーは、慶次郎の兄である、
普段はみかどで働いている、神社の獅子をモデルに作られた金色の式神・
狛犬をモデルに作られた白色の式神・
この式神達は、主である慶次郎より、
というわけで、おパはゆるふわパーマの金髪、麦は
そして歓太郎は、というと、一応変装のつもりらしく、その中性的なルックスを活かして女装している。つまりは、イケメン三人を侍らせた美女、という組み合わせだ。
「ふっふっふ、せっかくこの俺がお膳立てしてやったんだ、ばっちり決めろよ、慶次郎……。チケットは貰い物だけど」
美女にそぐわぬ邪悪な笑みを浮かべる歓太郎の後ろでは、「でも慶次郎ですよ?」「慶次郎だもんなぁ」「葉月も大概だしなぁ」と早くも諦めモードのケモ耳ーズがいる。それを、「馬ぁっ鹿だなぁ、お前達」とうんと潜めた声で指摘すると、歓太郎は一層悪い顔になって、ぐふり、と笑った。
「ちゃあんと手は打ってあるって」
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