最終話 終わり 始まり 交わる物語

最終話


「よう、待ってたか雫?」

「うん、ずっと待ってたよたーくん♪」


此処は始まりの場所。


俺達が出逢った土地。


「懐かしいな、この幼稚園。出逢った時と今のお前じゃ大違いだな!」

「ふふ、そうね。たーくんの為に頑張って痩せたもん!」


全てが懐かしいな、本当に…


転生して、お前に会って…


…本当に色々あった。


目まぐるしく色々な事が起きて、過去の因縁が紐解かれていった。


「さて、たーくん♪どうぞ♪」

「いや、そうやって懇願するのちょっとどうかと思うぞ…」

「ええ、ずっと待ってたのに!」

「解った!解ったから、少し待ってろ!」


息を吸い、少しだけリラックスする。


いやぁ、これで三度目だ。


しかし、毎回毎回緊張するなぁ…


よし、覚悟を決めるか!


「雫、聞いてくれ…」

「うん…」

「色々と言いたい事はあるが、単純に言うぞ。愛してる、付き合ってくれ雫。」

「うん!」


と、彼女は力強く頷き、俺の手を握ってくる。


そして、俺の唇に吸いつてきて…


「愛してるのチュー!」

「ぶはっ!勢いを付け過ぎだバカ!」


思わず倒れそうになった。


後、少し噛まれた。


痛いな、これ…


後で口内炎になりそう…


…まっ、良いか。


長い間、待たした訳だしな…


「じゃあ、ホテル行こうか!」

「雰囲気ぶち壊しだな、おい!」


うん、お前だからね。


そういう事を言ってくるとは思ったよ…


「仕方がないか、行くぞ…」

「たーくん大好き!」


締まらないなぁ、俺達…


まぁ、それも俺達らしいか…


ブゥゥゥゥン!


「なっ、危ない!」

「えっ、たーくん!?」


ちくしょう、痛い。


また、車かよ…


何で俺は手に入れた途端に…


…ああ、ちくしょう!


俺は…


俺はまだ…


「死にだくない゛!また、アイツ等を置いて!」


でも、現実は無情だ。


どんどん意識が落ちていき…


俺はまた死ぬのか…


「たーくん!お願い、死なないで!」


…ごめん、雫。


俺はもう…


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裏朱里side


「失敗した…」


まさか、こうなるとは…


いや、違う。


慢心していたのだ。


「やってくれたな、私…」

「そうね。その通りよ、私。」


目の前に私そっくりの存在が現れる。


勿論、表の化け物じゃない。


正真正銘、私自身。


「物語に干渉する程、愚かな事は無いわよ?」

「知ってるわ。でも、私は許せなかっただけ。」

「…何を?」

「…理解わかってる癖に。」


ああ、そうだね。


お前は完全に私だもの。


でもね…


「許せる訳ないでしょ!大切な人を奪われる気持ちは知ってるでしょ!」

「知ってるわよ。でも、私が愛してるのはリュー君だけ。」


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物語は破綻した。


いや、塗替えられた。


つまり、世界は書き換えられたのだ。


「さてはて、次の物語はどうなるやら。傍観者ちゃんの出番はまだですかね。」


しかし、とんでもない世界にしてくれやがりましたね。


これだから、神様は…


「さてはて、これまでご愛読ありがとうございました。これにて、人識くんの物語は一旦終わりです。彼がどうなるかは、また別の物語で…」


終わり



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NTRビデオレターを見た後に偶然事故死してしまった俺は… クロスディアⅡ @crossdia

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