なんだか読んでいて、とても辛くなる書き出しでした(ほめています)。理屈っぽい主人公が辛い。ここからどうなるんだろう。
読んで欲しい! ・・・ただ、家族に不満がある人は心して読んで下さい。それなりに刺さってきます。
親がどんなに嫌いでも、自分の親である以上ほぼ毎日顔を合わせなければならない。そして、一緒に生活をしなければならない。 子供は親無しでは生きられず、子供は親に逆らう力もない。 それなのに、親が敵であるというのはなんと残酷な事だろうか。 この作品は、親に虐待され、家に居場所のない子供の心情を非常に鮮明に描いている。 思わず目を背けたくなりますが、これが現実に起こっているという事実を突きつけてくる作品です。
かなり描写のキツイ作品です。リアルな設定だからこそ、真に迫ります。ただ、あくまでフィクションです。ここに意味があるような気がしてなりません。現実では解決できない状況をフィクションを読むことで解消することができる、とも思います。読み終わって、壮絶な体験を振り返ることになりますが色々得るものがあるはずです。苦手でない方にお勧めします。
本作はとても重い話になっておりますので、そう言った話が苦手な方はご注意ください。虐待やネグレクトなど、現実でもあり得る話がテーマとなっています。少女が痛めつけられる描写がとても真に迫っていて胸が苦しくなりました。そしてそれが狂気に変わってしまう描写にも……文体についてはとても丁寧で分かり易く、目が止まる事無く読み続けられました。考えさせられる重いテーマが好みの方、一度拝読されて見ては如何でしょうか。
主人公が経験したような家族を知っている、経験したことがある人間にとってはこれ以上なく響く物語。無論、自分はこのような事をしないかったからこそ今の自分があるのだが、このような気持ちに駆られたことは何百回もあるという人間はいるだろう。そういう人間にとって主人公の行為自体が救いとなると思います。
家族、だなんて一括りに言うけれど。家族という枠組みに囚われて、育ててくれた恩と今の苦しみに揺れ動く、そんな少女が描かれています。心理描写が丁寧で、段々と考えが悪い方向にいってしまう過程が非常に伝わってきます。暗めな話が好きな人、読んでみたい人にオススメです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(81文字)