第8話 疲弊する環境

大切とされる挨拶をしないのだ。

 

世間の人間は自分の「親」や「先生」に厳しく、しつけられるモノの一つである。


「その子」しないという事で、周りの事情の知らない大人が、ブチ切れる事件は相変わらず続いていた。

 

そのたびに、近隣の私を含む同級生とその保護者が、「その子」の家族の状況を、時には謝り、説明しなければならない、事態が発生し続けた。


しかし、まだ、当時は小学一年生。


時間が有ったのだ。


また、前述した私が小さい頃から、お世話になってた高校の校長先生は、


「逆を言うと親が原因で子供たちが、馬鹿な行動を取っている状況は、子供達には責任が無いですよ。」


この言葉が、「錦の御旗」となり、烈火のごとく怒る、周辺の大人たちを、窘めるのに私たちは奔走する他なかった。


ゆえに、周囲の人間たちは、ボロボロに疲弊していったが、「その子」の家族はその部分以外は正常に見えたので、


・・・とにかく、待った・・・時間を・・・いや、待つしかなかった。


いつか必ず、「その子」が、挨拶する日が来ると信じて。

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「挨拶をしない家族」 田渡 芳実 (たわたり よしみ) @ruasu50

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