NO92/ジローさんとケンジのリアル同日日記
ヒロト2022年令和4年6月4日(土)
当時のジローさんの日記を入手しました。もう何度か読書コメントに寄せてもらっていますが、まさに当時、同じ日に同じことをそれぞれが心の内側を語っています。これぞ48年前のリアル交換日記、「届け!交換日記」特別編としてお送りします。NO91と重複しますが、その方がわかりやすい と思いますので。
1974年10月15日
『ケンジの日記』
今日はスターアクションリハーサル日、天気の方は雲の多いハッキリしない空模様であったが、リハーサルの方の調子は良好であった。アクションもスラスラ出たし。ただ一つ、欠点を指摘されたのだが、どうも焦って急ぎ過ぎるキライがあるというのだ。これは私の本質的な欠点でもあるのだから、これからも十分気をつけるようにしなくては!
『ジローの日記』
なにか・・・発展しているのか、止まっているのか、わからない感じである。
10月17日
『ケンジの日記』
今日も稽古で一日が暮れた。でも、腰が痛いためにボディービルはできなかった。残念でならない。それにどうも食う割にはクソが出ず、へばっかり出るので参っているのだ。
明日はリハーサル日、頑張らなくっちゃ!
『ジローの日記』
ケンジとしっくりいかなかった一日。
まだまだ・・・足りなかったんだなぁーと
自己反省。
10月18日
『ケンジの日記』
さて、天理でいろいろお世話になった西村さんに、ジローと二人で三ヶ月ぶりぐらいに会い、夕食をごちそうになり、喫茶店に入って、天理教とか人生における生き方の問題だとかの話を聞き、いろいろ参考になった。また来年の夏も「おぢば帰り」に来てくれとまで、うれしい頼みごとをされてしまった。
『ジローの日記』
些細な事で、ケンジと意見の食い違いがあった。
10月19日
『ケンジの日記』
今日はいつも行く教会が大祭で、朝から大掃除を手伝ってくれと言われたために、牛乳配達を終わらせて、眠気をおしてそのまま教会へ行ったのだ。ジローは9時には来ており、掃除も半分くらい終わっていた。私は牛乳配達が9時半に終わったのだから、どうやっても9時には行けなかったのだ。ジローは今は何も仕事をやってないから自由が利くのだ。私は、今月いっぱいは頑張らなくてはならない牛乳配達があるのだ。ジャーン!
でも今日は、午後1時半から 5時過ぎまで稽古して、いろいろ新案も出て順調に行きだしたのだ。やるでェー!
『ジローの日記』
なんとか今日一日乗りきった。
difficultである。
10月20日
『ケンジの日記』
今日は天理教の大祭ということで、稽古もできず、ジローの部屋でメシを食った後、日本シリーズ中日対ロッテをテレビで見たりして半日過ごした。でも結局ギターのことで私は気分を壊し、四時半頃何も言わずに帰ってきてしまった。
『ジローの日記』
今日は終わった・・・何となく終わった・・・そうかな・・・別に大した事はなかった・・・
成る程・・・僕自身の問題なんだ。
しっかりしなくては、何を考えているのだ、
前進あるのみ。
Go!let’s go!真剣に勉強しろ・・・冷静に!
10月21日
『ケンジの日記』
今日はとうとうストを起こしてジローの部屋へ行かなかった。しかしストというものも金のかかるものだ。行かないせいで夕食やらフルーツやらを買ったため、600円ぐらい使ってしまった。しかし、今日は思うまま、気の向くままにギターを稽古し、読書をし、日本シリーズを聞いたし、非常にリラックスできた一日であった。もちろん牛乳配達はやったよ。
『ジローの日記』
別に今、苦労しているという実感はない。
むしろ、のんびりと気楽だ。金、別にいらないよ、今で充分さ。
すばらしい住まい。三畳一間でも住めば“都”
最高のお城。
毎日毎日、何に拘束される事なく、自由気ままに過ごしている。
いいのか悪いのかなんてヤボな事を考えるのは止めにして、実のあるものを作ろう。
いい音楽を聴き、美しいものを“見”、“触れ”
素直に育ちたい。
僕の長嶋茂雄のように・・・支離滅裂・・・
ケンジが理由なく来なかった・・・だのに
電話を掛けて確かめようとしない俺・・・
一日中レコードを聴きふるさとへ戻ってる
・・・ような自分を見い出した。
無駄のようであるが、必要な一日である事は
まちがいないだろう・・・。
10月22日
『ケンジの日記』
今日も、朝の牛乳配達以外一日中部屋に閉じこもっていた。昼頃ジローからTELがあったが、今日の雨に感染した私の心が、冷たく電話をあしらわせた。
そしてさっき、夜の雨がシトシトと家の外を濡らし続けている時、私の部屋のドアをノックするものがあった。何とジローであった。わざわざ心配して来たのだろう。何も心配しなくても、明日は出掛けようと思っていたのに。それでもラーメン屋に行って、いろいろ話をした。明日はいつも通り稽古再開である。私も大きく目を見開いて頑張らなくっちゃ!
『ジローの日記』
ケンジが僕の事、今時めずらしい、抵抗のない人間だと思ったって・・・
俺だってみんなと変わらないんだよ。
抵抗もあれば欲もある。
しかし俺は、それを無くしたい、と思っている人間なんだな。
ヒロト2022年令和4年6月4日(土)
かなわないなぁ、48年前リアル交換日記には。若者ふたりがそれぞれ真っ直ぐにもがいている。「届け!交換日記」の片割れとしては、嫉妬さえ感じちゃうよ。
でも、もの凄く面白いので、ジローさんの日記が入手したら、特別編、またやりましょう。
ここで、俺の頭の中に浮かんだ空想を書いてみたい。もし、って話だけど、聞き流して欲しい。
もし、今、ケンジが健在だったとしたら。
もし、ケンジとジローさんと俺でトリオを組んだとしたら。
もし、三人でコミックバンドをやるとしたら。
もし、三人合計210歳トリオでデビューするとしたら。
どんなネタがいいか?
トリオのパターン芸が頭に浮かんだ。
ジローさんはプロのシンガー、俺も、カラオケでは結構評判はいい。
そこでジローさんと俺は、ジローさんのギターで今風の歌をノリ良くハモッたりしちゃう。ケンジは混ぜてもらいたくて二人の周りをウロウロする。しばし無視するも、まぁ、混ぜてやっかと歌わせる。
ケンジ、ド演歌!どうやってもド演歌!
ふたり、ケンジをはぶく!
ケンジ、ウロウロ。
すったもんだで、また歌わせると、
ケンジ、ド演歌、どうやってもド演歌!
最後、ふたりもつられて、三人でド演歌!
日テレの先生たち、スターアクションのディレクターにダメ出し食らっても、やってみたいなぁ。
ちなみに、ケンジのド演歌の発想は、高校クラス会二次会で、ケンジが気持ちよさそうにド演歌を歌っていて、他のみんなはおしゃべりに夢中になっていて、誰も聞いていない光景を思い出したところから。
今日も稽古はまぁーまぁーで、夕飯に作ったカレーもうまかったし、けっこうでした。
ところで、今、p.m.10時だが、今さっき、ジローの部屋から追い出されるようにして帰って来たのだ。というのはこの前、一応ジローの部屋に居られるのは、p.m.9時までと決められたからだ。それ以降になると、ジローのプライベートな時間が減るし、いろいろ問題が出てくるからということで、二人である特定のテレビを見るとか、何か用事があったりしない限り、それを守ることを約束したからだ。本当は今宵も「新・荒野の七人」という洋画を途中まで見て、さぁこれからというところだったのだ。私はてっきりジローも一緒に見ているのだとばかり思っていたら、不意に「ケンジ、もう9時過ぎたんだけどォー」である。早々に退散して来た次第である。
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