NO91/ジローさんとケンカ?

ヒロト2022年令和4年6月2日(水)

NO89で演芸場には誰が出ていたのって聞いたけど、わかりました。ケンジが応えてくれないので、ジローさんが読者コメントで教えてくれました。「スリーピース」という三人組。のちに二人コントで有名になった「ユートピア」だったんだね。ゴムパッチン芸でよくテレビに出ていました。

ジローさん、ありがとう。


ケンジ1974年昭和49年10月15日(火)

今日はスターアクションリハーサル日、天気の方は雲の多いハッキリしない空模様であったが、リハーサルの調子は良好であった。アクションもスラスラ出たし。ただ一つ、欠点を指摘された。どうも焦って急ぎ過ぎるキライがあるというのだ。これは私の本質的な欠点でもあるのだから、これからも十分気をつけるようにしなくては!

さて、今日はそのリハーサルの前に、正幹さんと加藤さんに、いよいよ今度からアトラクションでコントをやってもらう時は、二千円だがギャラを払うからというのだ。私らにとって、こんなに早くギャラを貰えるようになることは、うれしく且つ意外でもある。だが、私としてはそのギャラをくれるということよりも、一刻も早くコントそのものを認めてもらえるようになりたい。一刻も早く。

しかしこれは、焦ってはダメだ。

あくまで着々と!


ケンジ1974年昭和49年10月20日(日)

今日は天理教の教会の大祭ということで稽古もできず、ジローの部屋でメシを食った後、日本シリーズ中日対ロッテをテレビで見たりして半日過ごした。でも結局ギターのことで私は気分を壊し、四時半頃何も言わずに帰ってきてしまった。ジローは、私の帰るのを知ってか知らずか、私に「ケンジのギターはやかましんだヨォー、もうギターはやめよう」てなことを、それはそれは顔をしかめて言いながら私からギターを取り上げ、自分でギターを弾きだした。他人のギターの音色はうるさくても、自分のギターの音色はよっぽど気に入ったと思える。恐らく私の帰るのを横目で見ていたろう。

まぁーしかし、こんなところでジローのことをこんな風に書くのもたまには気晴らしでいいだろう。以上!


ケンジ1974年昭和49年10月21日(月)

今日はとうとうストを起こしてジローの部屋へ行かなかった。しかしストというのも金のかかるものだ。行かなかったせいで夕食やらフルーツやらを買ったため、600円ぐらい使ってしまった。しかし、今日は思うまま、気の向くままにギターを稽古し、読書をし、日本シリーズを聞いたし、非常にリラックスできた一日であった。もちろん牛乳配達はやったよ。


ケンジ1974年10月22日(火)

今日は一日冷たい雨にたたられた。何と冷たい雨だろう、何と冷たい雨音だろう。明日は晴れてくれればよいが。今朝の牛乳配達も冷たかったもんね。

さて、そんな今日も一日中部屋に閉じこもっていた。昼頃ジローからTELがあったが、今日の冷たい雨に感染した私の心が、冷たく電話をあしらわせた。

結局昼過ぎまで布団の中に潜っていて、後はギターと読書で過ごした。あっそうそう、昨日でとうとうジャン・クリストフの第2巻を読み終わったことを報告しておこう。さていよいよ最終巻、これも頑張らなくっちゃ!

そしてさっき、夜の雨がシトシトと家の外を濡らし続けている時、私の部屋のドアをノックする者があった。何とジローであった。わざわざ心配して来たのだろう。何も心配しなくても、明日は出掛けようと思っていたのに。それでもラーメン屋に行って、いろいろ話をした。明日はいつも通り稽古再開である。私も目を大きく見開いて頑張らなくっちゃ!


ヒロト2022年令和4年6月3日(金)

血の繋がりもなく、出身地も違うヤローふたりが、四六時中一緒にいて何もなく仲良しなんて、気味が悪いよね。いろいろな軋轢ができたり、存在そのものがウザくなったりするのは、むしろ当たり前のことかもしれない。

こうやって、ケンジの日記を読んでいると、おいおいと突っ込んだり、、いろいろ思っていろいろ言いたくもなる。

この交換日記、時空を超えて届いて欲しいと思って書いている。いや、届くんじゃないかとさえ思っている。

でも、絶対届かないものがひとつだけある。

アドバイスだ。

ケンジにいくらアドバイスしても、ケンジの明日の日記は変えられない。

それは当然、わかっています。

でも、したくなっちゃうんだよなぁ、しないけど。

もし、こうしてたらこうなってたかもしれない、なんてことも書かない方がいいのかなぁ、悩ましい問題です。

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