NO89/ホタル、文楽、新幹線

ヒロト2022年令和4年5月30日(月)

昨夜もホタルは0。2年前の手帳を見ると、別の場所だけどホタル5って書いてある。今年は遅いのかな?今夜はその別の場所に行ってみるか。真っ暗い川岸をうろうろしてる怪しいオッサンがいたら、それはワタシです。

ところで昨晩帰宅すると、テレビにはNHKEテレで文楽が映っている。チャンネル権はカミさんに握られているので、仕方なくそのまま眺めていた。

実は恥ずかしながら、演劇界に身を置いていたのに、歌舞伎、文楽などは何言ってるのかよくわからないし、テンポも遅くて自分からは進んで見ることはなかった。

夕べは画面右端に縦書きの字幕が出ていた。太夫の語りを聞きながら、なんとなく字幕を読んでいたら、ちんぷんかんぷんの筈の内容が次第にわかってくるじゃありませんか。思い入れたっぷりでクサイなぁなんて感じてた太夫の語りも、人形の巧みな細やかな動きと相まって感情も伝わってくるじゃありませんか!笑えるところもあるし、泣けるところもある。気がついたら、酒も飲まず、つまみも食わず、食い入るように見ている自分がいるのよ。面白い!文楽を面白いと感じながら見たのはこの年になって初めてかも知れない。

思うに、字幕だね。やっぱり内容がわからないとついて行けない。なんだかよくわからないけど芸術的なんだろうなぁ、より、わかった上で、面白い、素晴らしいの方がみんなで芸術を共有できる。

こんなに素晴らしいもの、字幕が有ったって芸術性は損なわれない。いやむしろその素晴しさをより広く感じてもらえることになると思った夜でした。


そして今日の帰り、以前にホタルを見たことがある別の場所に行ってみた。

いた~~~!スゲーぞ!こっちに2つ、あっちに3つ、光ってる!おっ!向こうの方でも光ってるぞ!真っ暗い川岸でオッサンひとり、興奮しまくり。


ケンジ1974年昭和49年10月5日(土)

あっーあ!昨日から今夜にかけて、ちょっくら高松まで仕事しに行って来ました。もちろん行き帰りは飛行機、大阪―東京間はボーイング727というジェット機、大阪―高松間はオリンピア号というプロペラ機である。

しかし私も大人になったのだろうか。仮面ライダーの仕事で、初めて新幹線を使って大阪まで行った時など、帰り東京駅で新幹線ホームから降りて中央線に乗り換える時、またその中央線の中でも、何か自分は他人より偉いように錯覚したものだった。

「へッ、ここにいる奴らで今私が大阪からそれも新幹線で帰ってきたなんてぇーことは誰一人として気がつくめぇー!どうせこいつらみんな東京都内ぐらいしか乗り物に乗ったことがねェーんだべェー」と、タカをくくっていたものだ。

それが今では、ジェット機で羽田に着いて、モノレールに乗って、山手線に乗ってみても何とも感じないし、変な優越感もない。これは私が大人になったということだろう。

今では、ごく普通にちょっと高松まで行って来ました。そんな程度なのである。大したもんだねェー!

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