NO81/ずうとるび
ケンジ1974年昭和49年6月29日)
今日は初台へスターアクションのリハーサルに行ったのだが、何と今度の秋田でも私らの新作コントの出番は無さそうなのだ。というのは、秋田では私とジローが本番中にお化けの格好をして出演することになったのだ。そのため「めくり」の仕事もやらないで、お化けだけやることになったのだ。そこでコントの方も次の川口からということになり、またまた世紀の裁断は延ばされた訳だ。まったく気がもめるというか、準備期間が長くなっていいというか。とにかくいつになってもいい。頑張らなくっちゃ!
ケンジ1974年昭和49年7月1日(月)
さて、昨日は浅草演芸ホールへ「日曜笑待席」の録画撮りを見に行ったのだが、どうも面白くなく、一番心をウキウキさせたのは、平均年齢16歳というまだたどたどしさの残る「ずうとるび」というグループサウンズで、その時彼らに送られた、おそらく親衛隊であろうと思われる女の子連の黄色い歓声のナマナマしさと新鮮さとだけであった。
それ以外はコントであろうと演芸であろうと、眠たい私の心を覚ませるような活気のあるものはひとつもなかった。
ヒロト2022年令和4年5月22日(日)
ずうとるび
日本テレビ「笑点」1973年夏休み企画のちびっこ大喜利に出ていた山田隆夫君が座布団10枚になった。そのご褒美は、レコードリリース、だったら子供たちで結成してデビューさせようということになり、そして1974年デビュー、人気アイドルグループとなった。メンバーは、
山田隆夫 サイドギター ボーカル
江藤博利 リードギター ボーカル
新井康弘 ドラム ボーカル
今村良樹 ベースギター ボーカル
何をする人なのかよくわからないけど、共同作業者という名目で、笑点司会者、てんぷくトリオのリーダー、三波伸介とある。
今村君が左利きでポールマッカートニーみたい、つまり、ビートルズみたいということで、ビとズを入れ替えて「ずうとるび」、
誰が言い出したんだろうね。上手いこと考えるもんだ。そのまんまひっくり返したら、
「ズルトービ」!売れないよ!
「ずうとるび」ちょっとのずっこけ感と、親しみ感、洒落感もあって絶妙だね。
山田隆夫さんは今でも、「笑点」の座布団運びでお馴染み、歴代司会者に、「やまだく~ん、1枚持ってって」って言われてたけど、今の司会者、春風亭昇太は、「山田さん」と呼んでいる。後輩感が半端なくて、それはそれで面白いね。
ところで実は、ものすごいエピソードがある。
ジローこと、現在の姫路のじろりんさんと、山田隆夫さんは、その後、とても親しくなって、現在でも会うと楽しく飲んでいるらしい。
ケンジ1974年昭和49年7月3日(水)
今日は秋田まで行って来たのだ。秋田なんて飛行機なら二時間足らずで行ってしまう。日本なんて狭いもんだねェー!
ところで、今回のスターアクション本番では、ジローと私はすごいメークをしてお化けを演じたのだ。それがなんと大失敗、というのも中島ディレクターがキッカケを間違えて私に伝えて来たためなのだ。中島さんのキッカケで、お化け担当さんが井戸の中に隠れている私に綱を引っ張って教えてくれることになっていたのだ。そのキッカケが早すぎたために、私は被っていた布を取ると同時に、あわててかつらまで取ってしまったのだ。だもんだから怖さ半減。それも私自身、袖に入ってそのお化け担当さんから、「かつらはどうしたの?」と言われるまで気付かなかったのだから、相当動転していたのだろう。
しかしまぁー、評判を聞けば結構良かったよ、ということなので、ひょっとしたら気休めかも知れないが、だいぶ安心した。
とにかくキッカケが、始めに聞いていた時より1シーン早かったのだ。時間にして5分ぐらいも。そんな訳だからしょうがないといえばしょうがないのだ。
ケンジ1974年昭和49年7月8日(月)
いよいよ10日間以上降り続いた雨が上がった。もっとも今朝牛乳配達をしている8時頃までは降っていたのだが。でもいよいよ明日で牛乳配達も辞められそうだ。新しく入った人がもうだいぶ覚えて、今朝はその人が配って私が後からついて行くというやり方で配ったのだ。明後日の川口におけるスターアクションの本番からは、もうコント一筋に賭けられる。ちょっと気が早いかも知れないが、牛乳配達も早いもので、足かけ10ヵ月もやっている勘定になるのだ。冷たい冬の牛乳配達の苦しい思い出は、きっと私の一生にとってプラスになることだろう。明日はひょっとしたら最後の牛乳配達になるかも知れないから頑張らなくっちゃ!
しかし今日は蒸し暑い。もう梅雨も明けるのだろうか。
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