ケンジ1974年昭和49年4月25日（木）

今日、日テレへ行って、5月から「スターアクション」という番組の仕事をすることになった。といっても週に2度である。内容はよく知らないが、何でもリハーサルの時、本番でやるタレントの代わりにジェスチャーをやるのだ、とのことだ。そのジェスチャーを参考にして、本番用のタレントがやるジェスチャーが振り付けられるのだそうだ。言って見れば縁の下の力持ち的な仕事だが、幕あいにはコントなどもやらしてくれるとのことだし、やりがいのある仕事だと思うのだ。それにジローとのコントの稽古にも好都合だし、やる気十分である。

そんな今夕はまたまたコント55号の「なんでそうなるの？」の録画撮りを見て来た。今度はジローと一緒にそのコントを盗もうと思い、テープレコーダーを持ち込んで、舞台に最も近い、お囃子などをやる人の入るボックスの中で見学した。勉強になった。

ヒロト2022年令和4年5月16日（月）

「シャープスターアクション」

1973年10月2日から1980年9月23日まで放送された、日本テレビ系列の人気番組。

NHKの超人気番組だった「ジェスチャー」をパクった？いやいや、素敵にリメイクした内容で、司会者は金原二郎さん。

男性軍キャプテンは、前期は坂上二郎さん、後期は桂三枝さん。

女性軍キャプテンは、前期は相良直美さん、後期は和田アキ子さん。

レギュラーは、湯原昌幸さんから小松政夫さん、清水國明さん。

マッハ文朱さんから五十嵐夕紀さん。

前説、我らがジローとケンジ。

ジローさんが多いね。

それにしても、次の仕事決まって良かったね、ケンジ。

ケンジ1974年昭和49年4月28日（日）

さて、あと二日で五月、七ヶ月間の「くるま座」生活に終止符が打たれる。頑張ったようで、たるんでいたような気もする。また五月から新しい場で頑張ろう。ジローとのコントの稽古もボチボチ進み、二人での活動が果たしてどうなるか、それが待ち遠しい。私も尚一層健康に気をつけていかねば。食べ物もケチケチしないで食べるようにしなければ。

それにしても心配なのは経済的なこと、私としてはいくらかづつでも金を貯めておきたいのだが、五月からはあまり貯まりそうにないし、もし無理して貯めようとすれば、どうしても食費にしわ寄せがきて、健康を損なう恐れがある。よってこの一年間はとにかく健康を第一にし、金を貯めるのや、贅沢を考えるのは少し控え目にしなければなるまい。これは私自身に言い聞かせているのである。

ケンジ1974年昭和49年4月29日（月）

今夜はジローと、浅草最後の夜とでもいう意味で、今までハシさんや他の人が飲んでいるのを見、その噂を幾度となく聞かされてきた酎ハイというものを、かの有名な一六酒場で飲んできた。今でもそのためか、頭がフラフラする。いい気分である。久しぶりに酒で頭をフラフラにした。

さて、そんな訳で、浅草演芸場もいよいよ明日で終わり、くるま座解散ということになる訳である。私はやるだけのことをやり、忍ぶところは忍び、耐えるところは耐えてきたつもりだ。短き、良き七ヶ月間であった。

演芸場よ、また来る日までさようならである。今日これを書くのは、明日の楽日は、新宿で打ち上げをやるということなので、多分日記を書いている余裕がなくなると思うからである。

よーし！あさってからはジローと共にコントだ。がんばらなくっちゃ！

ヒロト2022年令和4年5月16日（月）その2

ビートたけしさんの映画の中にも、この酒場が出てくるらしい。（まだ見てないのです）

紅白歌合戦でも歌った「浅草キッド」の歌詞にも、煮込みしかないくじら屋で、とか酎ハイも出てくる。今では缶酎ハイまで当たり前のようにあるけど、まだ珍しかったんだね。

現在の一六酒場捕鯨船は、河野通夫さんが1977年、もともとあった一六酒場の後を受けて、屋号一六、店名捕鯨船として開業したとの事。一六酒場の大将の娘さんと結婚したらしい。河野さんは元芸人。ケンジがいた「くるま座」は、デン助劇団の解散を受けて結成されたらしいけど、河野さんはそのデン助劇団の人気二枚目役者だった人なんだってね。劇中のデン助には、スミちゃんという出来すぎるほど健気な娘がいたけど、きっと儚い恋の相手役とかしてたのかも知れない。あのたけしさんが、河野さんの事を兄さんと呼んでるんだって。

でも、ちょっと待って！ケンジがジローさんと初めて酎ハイを飲んだのは1974年！

捕鯨船が出来る前の店、元祖一六酒場ではありませんか！