NO71/ケンジ、芝居がんばる
ケンジ1974年昭和49年3月12日(火)
さて、今日は久し振りに銭湯に行った。このところ風邪をひいたり体の調子が悪かったりで、とんと風呂にはご無沙汰であった。頭も痒かったしフケも出た。風呂というのはまったくいいものである。そんな不快感から解放してくれてさっぱりとさせてくれるのであるから。これは自宅にいて、毎日風呂に入っている人たちには感ずることのできない趣きであろう。私だって日の出村の家にいた頃は、風呂なんてェーもんは毎日入って当然、とにかく入るものだ、ぐらいにしか感じていなかったのだから。やはりひとり暮らしとなると違うもんだなぁー。でもこれからあったかくなると、汗もかくし、汚れやすくなるから、一週間に一度とか十日に一度とかいうわけにはいかなくなるだろう。どうなることかねェー!
ケンジ1974年昭和49年3月13日(水)
今日もくるま座の先輩連中と麻雀をやってきた。まったくのツキのおかげで今日のところはトップであった。まぁー他の三人も私よりよっぽど上手いのだろうが、まだまだ打ち方に甘味があるように感じられる。私のド下手麻雀でもツキを呼べるのであるから。しかし、頭を使う勝負事というのもたまに頭の訓練として、刺激としてするのはいいもののように思う。まぁーこれも麻雀をやりたい心の言い訳だろうが。この前はジローと五目並べをやって二連敗を喫したが、私は中学高校の時から、勝負事は弱い方だった。あまり麻雀なんかにも凝りすぎぬ方がいいだろう。でもああいうものばかりは、面白くなるとホント病みつきになるからねェー!せいぜい私も深入りしないよう気をつけなくては!
ヒロト2022年令和4年5月11日(木)
ケンジ、ジローさんがこの「届け!交換日記」の応援コメント欄で、交換日記に参加してくれてる。ジローさんも日記をつけていたみたいだね。同じ時、同じようなことをしている二人が、その時、その事をそれぞれどう感じ、どう思っていたか、そんなところまで展開するかも!青春の時が生きている。なんか、またちむどんどんして来た。
でもジローさん、重荷にならぬよう、気ままに軽い気持ちでお願いします。
そうだろケンジ。
ケンジ1974年昭和49年3月19日(火)
さて、明日はもう千秋楽。今日、明後日からの台本の本読みに入った。今度の役は重要な役だ。セリフも多いし、心の起伏も多い。私も今度の作品には全力投球しなくては。というと今までは手を抜いていたのか、いや決してそういう意味ではない。とにかくより一層頑張るということだ。一瞬たりとも気を抜けない。より速く上手くならなくては!ゆっくりなんてしていられない。物事速いのに越したことことはない。いつ何時、今の状態が変化するかわからない。そのためにも誰よりも速くある一定の実力までこぎつけ、多少の環境の変化にも動じない地力をつけておいた方が絶対にいい。
ケンジ1974年昭和49年3月20日(木)
参った参った。今度の役は大役だ。私には荷が重すぎる。みんなからメタクソに言われ、しょぼんとしている私であった。とにかく演出を兼ねているハシさんのアドバイスも支離滅裂だし、グズラ嬢からもキョウマルさんからもメッタメタに頭ごなしに言われ、これといった明確なアドバイスもなく、とにかく悩み多き昨日今日であった。でも今日初日、二回やってみて、酒井先生からも批判を受け、ようやく私のまずさの最大の欠点がわかったような気がする。今の私は、明日こそはの意欲に心を燃やしているところだ。
男一生の道、艱難辛苦を乗り越えてこそ浮かぶ瀨もあるというものだ。挫折なんェーものはいつでも誰でも凡人ならできる。それをぶち破るからこそ非凡人が産まれるのだ。それが不可能だというなら、私、速やかに凡人の道を選ぼうじゃないか。ねェー!
ケンジ1974年昭和49年3月23日(土)
あっーやっと今日、今度の芝居で私の満足に近い演技をすることができた。あくまでも今の段階での、私が満足のいく演技である。ハシさんらには相変わらず、「イヤー声が小さくて元気がなさすぎる」というような批判を散々受けたが、昨日までの私の苦悩とは違ってやっと演技のメドがつき、あとの、声が小さいなんていう注意はいくらでも直せるものだから、さして気にかけてはいないのだ。演技に関しては、一応今日の演技の延長上で行ってみようと思っている。あとは明日から声を大きくしようではないか。しかし、今回の芝居ではずいぶん皮肉を言われ、イヤミもとんだ。
でも、今度のいわば主役という大役を11日間どうにかこなせば、これは私にとってかけがえのない大きなプラスになるであろう。
全力投球あるのみ。
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