NO67/ケンジの友達

ケンジ1974年昭和49年1月23日(水)

何と!今日は私の誕生日である。いつもの日と何ら変わるところはない。こんなさりげなく年をとってしまうのかと思うと、私の心は空しくなる。これで私も21歳、あっーだんだんがん箱が近くなってくる。人間はなんで死ぬんだろう。できるなら、このまま年をとりたくない。でもそんなことも言ってはいられない。こうしているうちにも時は刻々と過ぎて行く。

ところでそんな今日、くるま座の楽屋へ私に面会人があったのだ。それも司会者のアリタさんが「葵さんという人おられますか、面会です」と言ってきたのだ。今、葵という名は使っていない。葵という名を言ってくるところを見ると、剣友会関係の人だろうと思って事務所まで行ってみると、誰も心当たりの人の顔が見えない。でもアリタさんは事務所へ案内したのだから、そこに誰かいる筈だと思いよく見回してみると、どっかで見たような人が、私に挨拶してきた。そして、私は口を聞いたことはなかったが、その人は月に10日間だけ演芸場に出るオカリナジョッキーという漫談をやる人だとようやくわかった。話によると5ヶ月前、私がヤナギさん、モウリさんらとコントのコンビを組もうとした時、ヤナギさんがコネをつけて、いろいろ世話してくれる人がいると言っていたその人だったのだ。私はビックリした。

そして喫茶店に行って話を聞いた。その人が言うには、今でもコンビを組む気があるか、ということだった。

「ヤナギ君も胃の病気を治して、今九州から半年ぶりぐらいに東京へ戻って来ている。あの時はヤナギ君がああいう病気で倒れて、コンビの件もあやふやになって消えてしまったが、今回彼ら二人はその意を実行に移そうとしている。君がまだコンビを組む気があるならば、三人で組んでやった方がそれにこしたことはあるまい、私としてもできるだけの助力は貸す」ということであった。私は少し考えてから返事をすることにした。

現在私は、くるま座でまだまだやるべき勉強はたくさんあるし、自分が納得のいく、満足のいく段階にまで達していないと思う。今の生活ローテーシヨンは、これまでの中で最高に円滑であるしするので、私はその今のリズムでもう少しキャリアを深めたいのだ。コンビなら他の誰とでも組めるし、今のくるま座にいる限り、コントに移行するのはたやすいことだ。よって私は、このままくるま座に残ることにしようと思う。まだまだ修行しなくっちゃねェー!


ヒロト2022年令和4年5月8日(日)

ケンジの友達といったら、まずタケちゃんだよね。日記の冒頭から登場してる。幼なじみ、タケちゃんだけに正に竹馬之友、これでしょう。高校時代から休みの時はタケちゃん、卒業しても、何かといったらタケちゃん、初日の出といったらタケちゃん、ナンパといったらタケちゃん、日の出村を出て浅草生活でも帰ればタケちゃん、何はなくともタケちゃんって感じだよね。

それから親友はヨシブー、俺たちと同じ北高2Cのクラスメイト、「ケンブーヨシブー」の屁こき仲間で、クラスメイトの中では一番名前か出てくるよね。ヨシブーは、ケンジが亡くなる前の日に、他のクラスメイト、ナガマツ、オオノらと共に、日の出の自宅でケンジの最後のトイレを手伝ったんだね。まあ、その話はまたいつかしよう。

そして、「ひまわり」「剣友会」ここで、ヤナギさん、モウリさんが登場してくる。ヤナギさん、病気だったんだね。決別した筈だけどまた登場するのかな。

くるま座の今はジロー君と行動を共にすることが多くなった。日テレの養成所から二人がくるま座の旗揚げに参加したんだね。

ふたりとも頑張れ!

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