NO35/昭和の深夜テレビ

ケンジ1972年昭和47年3月1日(水)

今日は午後4時にNETに行った。なんでも9日に23時ショーかなんかのカゴカキで出演する時のづら合わせをやるということだった。私はNETなんて行ったことがなかったので、地下鉄六本木で降りてしばらく当惑したが、まぁーなんとか人に尋ね尋ね行き着くことができた。そして、係の人を呼び出すとすぐに衣装室に案内してくれて、ほんの10分程度ですぐ完了、まさしく手っ取り早いという形容がピッタリであろう。

さて、こうして一つ一つ私の今までまったく知らなかった場所を開拓して行き、一歩一歩一人前に人並みに物を知った大人になっていく、また喜ばしいことである。とにかく六本木なんてェー駅も初めてだし、NETも初めて、行く前には幾多の不安があるが、終わってみれば、その不安が大きければ大きい程、後味がよろしくなるし、自信も湧いて来ようというもの。ここに人生の喜びがあるように感じる。


ケンジ1972年昭和47年3月9日(木)

今夜は私にとってはテレビ初出演の生番組、夜11時からの「23時ショー」NETに出演して来たのである。役は駕籠かき、その中でも私は、後ろから肩の棒を片手で支える役。それをまずったのである。4人の内、私だけが足が揃わなかったのである。よって今も私の心は自分自身に失望したのと情けなさで、右往左往している。どうして本番になってあんな簡単なことを間違えたのか、それを思うと情けないというより、むしろ腹が立って来る。今夜のテレビは、大内先生も諸先輩方もみんな見ていたに違いない。アッー!私の前途は真っ暗闇だ。チキショーチキショーチキショー!

が、いつまで悔やんでも仕方がない。どんな非難を浴びようと、もうどうしようもないことであるから、あとは今後、より一層の努力と訓練あるのみなのだ。

帰りはNETの乗用車で送って来てくれた。その運転士さんが、気立てのいい、人の良い勤勉な人らしく、非常に良かった。では!


ヒロト2022年令和 4年3月18日(金)

人生の喜びを感じ、また挫折を知る。

喜びの分だけ挫折があり、挫折の分だけまた喜びがやって来る。喜びが多い方がいいに決まってるけどね。ケンジ、まだまだ始まったばかり、これから繰り返しだね。

ところで 「23時ショー」あまり見たことはなかったな。ちょうど「11PM」の時間で、

ウッシッシ、ハッパフミフミ、ボインでおなじみの大橋巨泉、そのボインの持ち主の朝丘雪路、大人のふたりが大人の遊び方を楽しんでいる感じが良かったのかな。こっちばっかり見てたよ。23時ショーの方は、親が起きていると見ずらかったかもしれない。11PMはギリギリ大丈夫だったような気がする。ゴルフ、麻雀、釣りなんかを兄貴も見ていたな。そこで、「23時ショー」ちょっと調べてみた。

NET、のちのテレビ朝日、「深夜のアダルト向け娯楽ショー」と銘打って、日本テレビの11PMに対抗して、ピンク路線でスタートした。でも、ネット局の内部から低俗番組との批判を受けて、ネットを停止されるという放送業界に波紋を呼んだということらしい。

出演者は錚々たるメンバー、筒井康隆、天地総子、藤岡琢也、ケーシー高峰、愛川欽也、高島忠夫、北山修、草笛光子、樹木希林(当時は悠木千帆)、加賀まりこ、だって。すごいね。ケンジが出た時は誰だったのかな?

今は、こういう番組はないね。映像的には、タモリ倶楽部のダンスしてるヒップのアップくらいかな。でも、CGになっちゃってる部分もあってちょっと残念、時代の流れだね。

どのくらい前かなぁ、「ギルガメッシュナイト」っていう番組があった。テレビ東京、最後のアダルト番組だったかも知れない。うちの奥さんが起きている時はとても見れなかった。寝ている時だけ、音を小さくして見たもんだ。一番印象的だったのは、可愛らしくてナイスバディの女の子が、白いエプロンだけの姿でいろいろな格好をするところを、いろいろな角度からカメラが捉えるという夢のような番組でした。

この番組も低俗だとかなり批判を受けたのだと思います。

はい、はっきり言って自分も低俗です!すんません!


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