NO22/RCサクセション

ケンジ1971年昭和46年9月12日(日)

アーカイカイ、まったく、この一週間薬を飲まないでいたら、またまたカイカイが再発、むしろカイさの点では前よりも猛烈である。まったく困ったものだ。まったく私の体はどうなっちゃってるのかねー。一度ぶっころしてもらってから生まれ変わりたいようだ。

さて今日は日曜日で例の通り「ひまわり」へ行った。今日の講義、授業はバレエ、演劇概論、擬斗で、皆それぞれ面白かった。特に擬斗では、先生から特別に呼ばれ、電話番号を聞かれて、今度やる時電話するから練習をしに来い、と、じきじきに言われ、我ながら気分がよかった。他の人たちはそんなことはなかったということだった。

それからもうひとつ、何と「ひまわり」の本科生に、我が北多摩高校出身のアリタ君という一級上の人がいたのだ。今日は帰りにその人とずっと国立まで話しながら来て、いろいろテレビや映画に出る機会があるということを聞いて、私としてもだいぶもやもやしていた気持ちが晴れた気がしてきた。よかった、よかった。


ヒロト2022年令和4年3月1日(火)

この頃はアトピーとか言ってなかったと思うけど、そうだったのかなぁ。俺の息子も小さい時ひどくて、かわいそうだったよ。幸い、皮膚の方は目立たなくなったけど、喘息が出ちゃって夜中に救急車呼んで、病院で点滴してもらってようやく眠れたって時もあったよ。今は、身長180センチのオッサンになって、なんか態度デカイけどね。

擬斗って、チャンバラとかアクションだよね。面白そうだ。

高校の一年先輩のアリタさん、国立出身だとすると高校も同じだし、俺とかなり近い存在だね。顔みたらわかるかもね。

北多摩高校ハンドボール部の一年先輩に、アメミヤさんとホカリさんという人がいて、この人たちは卒業後、暗黒舞踊の集団に入ったんだ。一度、目黒にあった小さな劇場でやっているのを見に行ったことがある。

なんにもない薄暗い舞台、音楽なのかずっとどろどろした重低音が響いてる。すると、腰だけに小さな布を巻き、全身白塗りした人たちが、つま先立ちでぞろり、ぞろりと出てきた。女の人らしい人も腰布だけ。中腰で、肩、肘、膝を不自然に、不規則に折り曲げたりしながら、うろつく感じ。言葉で表現するのは難しい。想像つくかな?

表情は、というとこれまた難しいけど、ずっと、目をひんむいて、口を大きく開けているんだ。そしてゆっくり動きながら、誰もいなくなったり、一人だけ出てきて、しばらくしゃがみこんで、肩ひじ張ってゆらゆら動かしながら、客席に向かって口開けて目をひんむいてる。

いなくなったと思ったら、今度はぞろぞろとたくさん出てきて、口開けて目をひんむいてゆらゆら。見ている自分がよくわからないのに、説明してもわかるわけないよね。

見たのはその時一度だけ、その後のエピソードとしては、先輩たちは白塗りを金粉に変えて、キャバレーなどのショーで相当稼いでたらしい。

もう一人、この人を忘れちゃいけません。

小林和生さん、やっぱりハンドボール部の一年先輩。RCサセクションのベース担当、忌野清志郎さんと中学の同級生だった小林さんは、バンドやりながらでも、ハンドボール部にいたんだ。一応レギュラーにもなっていたなあ。忌野清志郎さんは日野高校で、同級生に三浦友和さんがいたらしい。

小林さんは結構俺をかまってくれて、部室でタバコ吸うかって勧めてきたり、夏の合宿の時に、「おい、女風呂覗きに行こう」と連れて行かれ、二人して崖から落ちそうになったこともあったよ。でもこれだけははっきり言っておくけど、女風呂は崖に阻まれて覗けなかった!






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