NO10/昭和46年元旦とスーパー抗体
ケンジ1970年昭和45年12月31日(木)
大晦日、本当言うと、今書いているのは
一月一日の午前三時である。普段の日ならば、昨日の日記を夜半過ぎに書くのにも、全然抵抗を感じないが、やはり大晦日と元旦ではだいぶ違う。なんとなく興ざめである。
さて大晦日は、「テレビなんぞ絶対に見ず、勉強しながら年を越してやるぞー」と意気込んでいたのだが、私ってだめねー。せっかく十一時までは二階で頑張って日本史の勉強をしていたのだが、どうしても紅白歌合戦を見たくて、とうとう十一時四十五分まで見てしまった。やっぱり日本人なのだろうか、どうも大晦日は騒ぐもんだとばかり思い込んでいて、紅白を見なければ、なんて風に感情がうずくのである。まったくしょーがねー感情だこと。
ケンジ1971年昭和46年1月1日(金)
オーワンダフル、ワンダフル、ワンダフル、もひとつおまけにワンダフル、1971年の夜明け、そしてその太陽、まさに一年の最初の朝たるにバッチリとマッチした元旦である。空には雲一つなく、青空はどこまでも限りなく青く、小鳥がさえずり、小枝にくっついた水滴が、その明るく盛大な太陽の光に照らされて、真珠のように、水晶のように、彼女の瞳のようにまぶしく輝いている。これこそまさに元旦。日本の元旦である。私はさっそく外に出て、1971年の冷たい空気を、身にこすり込むように、大きく深呼吸し、大きく吐いた。オー気持ちイー、ヤルゾー。
昨日の大晦日はあれだけ雨が降ったのに、今日はうって変わってカラッと晴れ上がった。これは、私の1971年への天地からの贈り物、励ましである。
私はその期待に応えねば、オリャー入試突破したるでー。バンザーイ。
とにかく、今日の日を形容できるような形容詞は、私の辞書にはない。
正に超えてる元旦。
ヒロト2022年令和4年2月12日(土)
1971年が、ケンジにとって良い年でありますように。
ところでケンジ、今やっている冬季オリンピック、高梨沙羅選手の失格問題など不満はあるけれど、やっぱり熱くなる。
そんな中、フィギュアスケート、羽生結弦選手の4回転アクセルへの挑戦、素晴らしかった。メダル取ろうと思えば、今まで通りにやれば取れた筈。でも挑戦の方を選んだ。そしてうまくはいかなかった。
演技が終わった直後の表情、うまくいかなかった悔しさ、でも挑戦しきった清々しさ、そして何より、寂しさ、、、みたいなものを感じた。俺は羽生君が引退してしまうのではないかと思って、辞めないでと心の中で思わず呟いた。
羽生君、俺なりのアドバイスです。
スケート靴はしばらく脱いで、足の治療に専念してください。良くなっても、まだスケート靴は履いてはいけません。スノボーの平野君に倣って、異競技と言うか、異なったものに挑戦してください。例えばクラシックバレエ、勿論練習の一環としてやってはいるでしょうが、知名度を活かしてロイヤルバレエ団かなんかに入っちゃう。そこで本格的にバレエに打ち込むのです。もしかしたら、メインとはいかないかもしれないけど、公演にも出ちゃったりして。
そして次のオリンピックの2年前、1年前でも大丈夫だと思う、足も万全になり、クラシックバレエで徹底的に足腰も鍛えられた羽生結弦君は、そこで再びスケート靴を履いて、新たな挑戦に向かう!
っていうのはケンジ、どう思う?
もうひとつ、書いちゃおうかな。
新型コロナウィルスオミクロン株新規感染者が、日本で毎日10万人前後。もの凄いことになってるよ。幸い俺はまだだけど、もしかしたらもうかかっていて、無症状のまま治ったなんてことはないのかな。
ちょっと前に、ネットニュースで読んだんだけど、ある科学者が30人ぐらいの健康な人に、新型コロナウィルスを注入して感染の様子を見るという実験をやったんだって。無茶するよね。実験される人は相当ギャラもらえるんだろうね。それはさておき、
結果、一定数の人たちが感染しないことがわかったらしい。調べてみると、その人たちはスーパー抗体なるものを持っているんだって。このことから、世の中にはスーパー抗体を持っている人たちが何割か存在するということ。そこで俺は考えた。
人類は太古の昔から、得体のしれない疫病と戦って来た。現在のように薬もワクチンも無い。あるのは祈りとせいぜい何かの葉っぱぐらいなもの。しかし人類は生を繋いで来た。それを可能にしたのが、このスーパー抗体を持っている人々だったのではないか。
ケンジはよく風邪をひくみたいだけど、世の中には風邪もひかない丈夫な人っているよね。こういう人がスーパー抗体を持っているんだな、きっと。
そのうち、個人的にスーパー抗体を持っているかどうかなんてのも解るようになると、結婚相談所の人気条件は、顔や収入ではなくて、スーパー抗体持ってますってことになるかもしれないね。
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