名作短編小説について、グダグダ語ります。
みなさん、またまたご無沙汰です。もう永久に更新されないと危惧されていた方もいらっさるかもですが、今回も面白かった小説作品、それも短編部門です。
例によって今回も敬称略にさせていただきます。
題名 「喪神」 作者 五味康祐
芥川賞受賞の名作です。主人公は親戚の仇を討ちいきますが、相手の瀬名波の段違いの強さを見せつけられ、むしろ師事し一定期間一緒に暮らし、完璧に打ち解けたと思い、そして秘剣の奥義を身に付け、山を下りていくところ・・・あとは読んでみましょう。あっと驚くラストが印象的でした。
題名 「名人伝」 作者 中島敦
「山月記」「弟子」「李陵」の陰に隠れがちかも知れませんが、個人的にはこの作品が好きです。
天下第一の弓の名人を目指す主人公が、最初有名な弓矢の先生に、弟子入りし物凄く時間をかけストイックに鍛錬していき、その師匠と肩を並べたと自負し、その師匠すらやっつけようと危険な行動にでます。
しかし、さすが有名な先生で、主人公と引きわけにおわり、その危険な弟子の矛先を逸らす為ににさらなる伝説の弓の達人を紹介します‥その後はやはり読んでみましょう。この作品も衝撃のラストですが、その解釈がたくさん有るのも、魅力的ですね。
題名 「柳枝の剣」 作者 隆 慶一郎
わずか作家生活実働数年で、惜しくも亡くなった天才作家の名短編だとおもいます。
男色家の徳川家光に寵愛された、柳生左門。
容色に優れ、それゆえに立身出世しすぎ、剣の腕も達者だが身内に敵が多すぎた悲運の生きざまと、剛直でぶっきらぼうな偉大な長兄・十兵衛。
ラストは何とも皮肉が効いて、十兵衛のトレードマークができた理由も・・・・。
やはり、やはり、読了をお勧めします。
題名 「墨攻」 作者 酒見賢一
兼愛・非攻を代表的な思想とする、春秋戦国時代の「墨家」。
趙の兵隊が攻めてくる、ある城郭都市を守るために赴いた、一人の墨者の男・革離。
最低の待遇を尊ぶ墨家を、どうしても信用できない城主の息子。
怠惰で愚鈍な城主。
弱きを助け、強きを挫く勇侠の生き様、死に様。
敵軍の猛将、巷淹中と「戦争芸術家」ともいえる守禦の戦術で、革離はどう立ち向かうのか!?
直木賞候補までいき、映画化もされた傑作です。
最高に面白い上に、短編の中でも短い方なので、ページをめくる手が止まらなくなり、一気に最後まで読めてしまいます。
中国歴史に興味が有る方はおススメです!
田渡 芳実(たわたり よしみ)のグダグダ日記 田渡 芳実 (たわたり よしみ) @ruasu50
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