青空の下のお弁当。


俺は高藤蒼。

赤汐高校の1年生。

今から屋上に行って、お弁当を食べるつもりだ。


ちなみに、俺の手作りだ。

自分で言うのもなんだけど、結構おいしいんだぜ?


屋上に続くドアを押すと、そこに一つのベンチと机がある。木製の。


「あ……」


紫﨑乃々香。

俺が片思いをしている幼馴染みだ。


彼女がベンチに座っている。

そして、隣に美戸。


あの二人、あんなに仲良かったのか……。


さっと柱に隠れて、話を聞いてみる。

あ、俺別にそこまで変なことしてないからな。


「あのさ、私……こう見えて、ゲーム大好きなんだ」

「へぇー!初めて知ったわ。乃々香の垢名はー?」


あいつゲーム好きなの⁉

幼馴染みなのに俺も知らなかった。


「えっとね、@kanon……だったかな?」

「だったかな?ってなにぃ。自分の垢名忘れないでしょ~っ!」


え………?


「あっぶねぇ!」

手に持っていたお弁当を落としそうだった。


@kanon?


見覚えがある。

どこだろう………?


とりあえず、恋に一歩前進。

そしてドアに一歩前進。


…………



「おっらぁぁぁぁぁぁ!」

あぁぁぁぁぁぁぁぁ!死んだぁーっっっ!


何コイツ?チーターか?


「今日は終わりにすっか……」


趣味のゲームの時間を終え、コーラをがぶ飲みする。


「俺もフレンド増えたもんだなぁ……」

と、フレンド一覧をペラペラと見る。


「あ⁉」

ペラペラ見ていたフレンド一覧から、見覚えのある英語列。


それは……『@kanon』。

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幼馴染み(片思い中)がネッ友だった件について。 ラムネ @cider-cider

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