第3話



 君にあんなことを言わせてしまった。僕はどうするべきだったのか。


 僕は必死に考えた。これが分かれば君とちゃんと向き合える気がしたからだ。君を幸せに出来ていたかもしれないと思ったからだ。でも結局答えはでない。僕は未熟だから。君にきちんとむきあうことができないままだ。君を幸せにできないままだ。


 そんなこと最初から分かっていた。けれど、君の隣にいたかった。君の力になりたかった。君を幸せにしたかった。


 でも、やっぱり出来なかった。僕には難しかった。分かっている。頭では分かっているけれど。やっぱり離れたくなかった。まだ隣にいたかった。僕が幸せにしたかった。君の笑顔を見ていたかった。でも。



 君が幸せでいてくれるなら僕はそれでいい。きっと僕では君を幸せにできない。君を守れない。君の力になれない。だから君から離れなくちゃ。君の隣にいちゃいけない。僕は君に相応しくない。

 本当は僕が幸せにしたい。君を守りたい。力になりたい。離れたくない。隣にいたい。


 君に相応しくなりたかった。



「今までありがとう。ごめんね。僕じゃ君を幸せにできないから。お願い。僕を忘れて。」



 君の声が聞きたい。ほんの少しでいいから。たった一言でいいから。

 君と話したい。前みたいに他愛のない話を。くだらない話を。

 君と笑いたい。意味の無い話で笑って、ふざけ合って、笑いあっていたあの頃に戻りたい。



 もう一度だけでいいから

 君に会いたい…。

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もう1度だけ…。 よぞら @as125

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