第9話  日常②

4月の後半に入り学校生活に慣れ始めた頃だろうか


「おはよー」とクラス内に声を掛け着席する


すると


「蒼井君!ゴールデンウィークって何してるの?」と


多分バイトだと思うけど?何してるの?って聞かれたら何て答える?


「えっと…多分バイトしてると思うんだけど?」


「‥‥‥‥‥そか‥‥‥えっと…頑張って‥‥‥でも無理はしないでね」


「あっ、うん、ありがと…」


なんか励まされた!?





「ねぇ裕翔君、もうすぐ連休だね!」


社会人になって始めての連休で、少しテンション上がってます


「あっ!連休のシフト確認しなきゃだ。ちょっと社長のとこ行ってきます」


テテテー

連休なのに仕事とか…この子ってホント病気だわ~

あっ肩を落として戻ってきた…

「え~っと社長は何と?」


「連休はちゃんと休めって…くそっ!あのおっさんめ!…ねぇ黒崎さん。連休って何をすれば良いのでしょう?」


え?

「えっと…なんでもいいのでは?」


「ほら今年って土日も絡んで5連休ですよ!5日間も何をしたら良いんだ…?」


あ~なんだか患ってるわね~。日曜すら休まないこの子は休日の過ごし方なんて分からいのだろう…私なんて7連休なのに


「ん~家でゴロゴロしても良いし、旅行は…今からだと予約が難しいかもだけど、何処かへお出かけするとか色々あるでしょ?なんなら私とお出かけする?」


これならさり気なく誘えてるかな?


「ふむ…いや…でもそうか…ん~…」


何やらすごーく悩んでるね。私と出掛けるのそんなに嫌?だとしたらメッチャ凹むよ!!


「だったら黒崎さん。連休前の祭日有るじゃないですか?その日に買い物付き合ってくれません?」


「えっ、買い物?勿論構わないけど何か欲しい物でも有るの?」


おし!!買い物デートやったね!あっ…でもお金が…年上だし食事代くらいは出さないとだよね…お母さんにお願いしてみよう


「はい。来月末に母さんの誕生日なので一緒にプレゼント選んでくれません?」


あっ、うん。お母さんとは言え女性へのプレゼントを選ぶのはなんかデートとは違う雰囲気になるじゃん!?

まぁ~裕翔君お母さん大好きだからね~仕方ないっちゃ仕方がない気がするけど、ん~お出掛け出来るだけで今は我慢かなぁ…


「そっか…うん良いよ」


「あれ?なんか元気ないですね?そだっ!連絡先交換しましょう。はいこれ」


すっとスマホを手渡され…

って、えっ?何してんの?私が登録しろと?


「えっと…裕翔君?」


「ん?あぁ、すみません。俺、スマホに変えたばかりで使い方良くわかって無くて、なので黒崎さん連絡先とかアプリ?でしたっけ…使えそうなやつを色々突っ込んどいてくれませんか?」


あーそうゆう事ならって…他人にスマホ渡せるなんて凄いわね!

ホントに分かって無いのね…信用されて嬉しいやら危機感の無さに呆れるやら…ちゃんと注意しないと駄目かしら?


「あのね裕翔君!スマホって個人情報の塊なのよ?私だからいいけど、他人に渡す物じゃないの!だからちゃんと使い方覚えようね!解らなかったら私が教えるから」


「えっ?そーなんですか?へぇ~…うん、解りました」


ほんと大丈夫かなぁ…ってお母さんの番号しか入ってないじゃん!?

えっ?買ってから何もしてない?チャットアプリすら入ってないじゃん!

これなら他人に渡せるよ!スマホに替えた意味無いじゃん!?


あれ?もしかして私って何時でも裕翔君のスマホチェック出来る?え?マジ?凄い役得ゲットした!?やばい!マジヤバい!!


「アプリはこんな物かな…私の番号とチャットアプリのIDと裕翔君もアカウント作ってね、それから他人に見られない様に画面ロックしないとね…暗証番号はどうする?」


「ん~0525で」


グフッ!いやぁ~言ってみるもんだね!素直過ぎるよ裕翔君!


「はい、此処でアカウント作ってね…それから暗証番号の意味無くなっちゃうから他人に教えたらダメだからね!後、変なアプリ入ってないか偶にチェックするからね」


「はいお願いします。‥‥‥アカウント出来ましたよ、これで良いですか?」


言質頂きました!これでこれから増えるであろうJK共のやり取りは私に筒抜けだぜー!なんだろこの凄い優越感…ヤバいニヤけそうだ!


「うんOKOK。こんな風にチャット出来るから電話より便利だよ!ほとんどの人がこのアプリ使ってると思うから連絡先の交換はこのアプリにすると良いよ!文字打ちも使ってれば慣れるから」


「へぇ~確かに便利かも…くっ、文字が…これは慣れが必要ですね…そっか、みんなこんなやり取りしてるんですね…なるほど…有難うございました。ところで黒崎さん、19時過ぎましたけど今日の分はどうなりましたか?」


「あ…えっと…まだ終わってません…」


「確認は後でするとして、終わらせてから帰って下さいね」


「えっ!?あっ、はぃ‥‥‥」


優越感に浸ってる場合じゃなかった…ってか終わらないと帰れないの!?

えぇ~相変わらず仕事には厳しいな…あと1時間で終わるかなコレ?連休でテンション上げてる場合じゃなかったよ!凄い収穫あったけどオチがこれか!?遅くなるってお母さんに連絡しとこ‥‥‥はぁ~




とあるご家庭で

座布団に座り肩を寄せ合い仲睦まじくTV鑑賞中


「ねぇ母さん」


「なぁに?」


「今日、社長に連休のシフト確認したら、高校生に成ったばかりなんだから偶にはちゃんと休め!って言われちゃって…受験前ですら出てたのに今更何言ってんだって思うんだけど、何なんだあのおっさん!禿げればいいのに」


「ふふふ…そっか…社長さんちゃんと考えてくれてるのね」


「ん?母さん何か知ってるの?」


「うん、ゆう君に高校生活を楽しんで欲しいって…高校生らしく過ごして欲しいって…三枝さんにお願いしたの」


「そっか…高校生らしく…か、あんなクソ学校で何を楽しむのか分からないけど、それなら平日に休んだ方が…いや、それだと黒崎さんが…そもそも新人社員をバイトに預けんなって話で…まぁそれも今更かぁ」


えっ?クソ学校って言った!?

「えっと…ゆう君!?」


「あっ、ごめん。えっと…兎に角5日間も休みだから、何かやりたい事とか行きたい所とか考えといてね」


「えっ?クラスの子から誘いは無かったの?」


「ん?予定は聞かれたけど、多分バイトしてるよって言ったらなんか励まされた。あっ!でも、連休前の祭日に黒崎さんと買い物に出かけるから」


私のせいでバイト中心にさせちゃってごめんね…

「あら?お買い物デート?」


「違うよ!母さんの誕生日プレゼント一緒に選んで貰おうと思って」


嬉しいけどそれは駄目だよ!ゆう君もまだまだね

「ゆう君!いくらお母さんの為でも女性のプレゼントを買うのに他の女性を誘うのはダメなのよ!0点だよ!!その日はその子にも何かプレゼントしてあげるのよ!お母さんに言われたからじゃ無くてゆう君の意思でね!解った?」


「えぇ…女性目線で参考意見聞きたかっただけなんだけどなぁ~。0点って…何かしらお礼をって思ってたからまぁ良いけど」


はぁ~ゆう君の色恋はまだまだ遠そうねぇ‥‥‥‥‥































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母を愛するのは家族として駄目だろうか・・・? 藍のコト派 @syakuyakunohana

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