第60話 ブーケ
「花嫁さん、凄く綺麗だったよ~」
花嫁の様子を伺ってきた従妹が興奮気味に僕の所へ戻ってきた。
僕は知っているさ。彼女が世界一綺麗だって。
ヴァージンロードを彼女と一緒に歩いてくる彼女の父は、少し挙動不審に見えて、思わず彼女と目が合って口元が緩んでしまった。
厳かに式が終わると、先にゲストが教会を出て、僕たちは遅れて教会を出る。
すると、待ち構えていたゲストから一斉に歓声が上がった。
花びらや、お米を入れたチュールが一斉に飛び交うのだが、まるでお手玉を投げつけるように僕めがけてとんで来るものがある。
あの子は、どうやらゲームがクリアできなくてご立腹のようだ。
でも、満面の笑顔を見せている。
そして、最後のセレモニーの時間になった。
彼女がゲストに背を向けると、さっきまでの歓声が騒めきに変わり、ゲストの期待感が膨らむのが感じて取れた。
「準備は良い?」
「うん、きっと、あの子が取るような気がする 笑」
「そうだね 笑」
す~~っと、息を吸い込むと彼女は少し背中を丸め、背を伸ばす反動と共に持っていたブーケを思い切り放り投げた。
再び喚声が上がり、
青空のなか、華やかに飾られたブーケが舞った。
----- 終わり -----
不倫研究サークル ~教師編~ むかいぬこ @mukainuko
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