軋み
夏伐
ぺたぺた
ギシリ、と家が音を立てて軋む。
私は頭を押さえた。
受験が控えているために、夜中まで起きて勉強している。そして毎夜この『軋み』に悩まされている。
家賃を払っているのは親だから、安アパートだと文句は言えない。
上の階は一人暮らしをしていた老人が亡くなってから、事故物件として数年の間空室だった。
でも、今は何かしら住み着いているらしい。
私の部屋の天井が軋んだ。
少し前に、一度、天井を棒で叩いたことがある。
それからだ。
軋む音に合わせて、ペタペタペタペタリと私の背後で四つ足の足音が這いまわるようになったのは――。
振り向かなくとも目の端に見えたことがある。
あれは――人間の手足だった。
軋み 夏伐 @brs83875an
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