初恋からの最後の愛

高校と大学の進学先は違いましたね。

夢の為とは言え、普段の貴方に会えない寂しかったです。

その繰り返しで貴方と喧嘩をしました。


その度に、ごめんなさいを言い合い、それぞれで買ってきたお互いの好きなお菓子を交換して食べる。


それが私達の仲直りのルールでした。


毎日、メールをするのは変わらなかったですね。


変わったのはメールの内容でした。


好き


愛してる


会いたい


寂しい


と、素直に言えるようになりました。


偶にの電話で声を聞ける嬉しさと、会えない寂しさを感じましたが、貴方と話すのは楽しかったです。


時間が会った時に、偶にしか会えない嬉しさで、毎回のデートは楽しいしか記憶にありませんでした。


大学卒業後、告白された時と同じ観覧車で、同じ時間に貴方からプロポーズされました。


愛してます。

あなたを、一生幸せにします。

俺の幸せはあなたの傍にいることです。

俺を幸せにしてください。

お願いします。


私は生きてて、これ程嬉しかった言葉はありませんでした。


私もただ貴方の傍にいることが幸せです。

貴方共に幸せになりたい。


貴方は箱の中の指輪を取って、私の指に付けました。

私の好きなシンプルなデザインで気に入りました。

教えた訳じゃないのに、サイズがピッタリだった事に感動しました。


中学三年生のあの時は手を繋ぐだけだったが私達は、左手の薬指に指輪を嵌めながら、軽いキスをした。


お互いの両親に挨拶をした時は、おめでとうと歓迎されました。


今まで、私の家にも貴方の家にも遊びに行ったことがあり、有難い事に気に入られておりましたので、問題がありませんでした。


中学を卒業するまで、付き合い始めても学校では挨拶以外の会話をしなかった為に、結婚披露宴の時、中学の時の同級生には驚かれてしまいましたね。


一緒に暮らし、共に居れる時間が増えて嬉しかったが、喧嘩も増えました。


それぞれの暮らしの習慣が違うからですね。


結婚して初めての喧嘩はくだらなかった。

私は目玉焼きは醤油派でしたが、貴方はケチャップ派でした。

えぇ。今、思い返すと本当にくだらなかったですね。

お互いに妥協を見つけながら、少しずつ夫婦になりました。


初めて長男を妊娠した時、不安でいっぱいでした。

私はつわりが酷かった方で、飲み物を飲むのも大変でした。

貴方はオロオロとするばかりで、言わなきゃ、わかってくれない所が大変でしたが、言われた事はキチンとやってくれるので助かりました。


初めての子育ては大変でした。

子供を産んでからは専業主婦をやっている私は、暇に見えたのでしょうか?

貴方が仕事で忙しいのは分かります。

飲み会などの付き合いがあるのも理解します。

たまには、私は休みが欲しいです。

子供は可愛い。

それでも、夜泣きが酷く眠れない日が続くのは辛かったと訴えた時に、貴方は仕事があるから徹夜は辛いと言いました。

子供が昼寝した時に、一緒に寝ればいいと言いましたが、そしたら、炊事洗濯はいつすればいいのでしょうか?

泣いて喚いて、訴えた時に初めて、貴方は私の辛さに気づいてくれました。

それからは、積極的に、子供の面倒も見てもらえて助かりました。

長女、末っ子の次女が産まれた時は、ちゃんと助けてくれました。


子供の反抗期は参りましたね。

それでも、立派に成長して良かったです。

子供も結婚して、親の私達から離れました。



悲しい事に貴方は孫を見れませんでしたね。


天国に行くのは早すぎましたよ。


葬式が終わっても、ずっと泣いて悲しみました。


貴方を追いかけたかったが、子供や孫の存在に止められました。


孫はとても可愛かったですよ。


貴方にも見せたかったです。



貴方の人生幸せでしたか?


私は幸せでした。


今、私は自分の寿命を感じてます。


もうすぐ、貴方の傍にいきますね。


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初恋で最後の恋 千夜すう @chiyasu_

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