クラスメイトからの変化と
中学3年生の夏。
受験生な私達は、勉強の日々で、気軽に遊びに行けなくなりました。
メールする時間も減りました。
お互いに勉強を苦とはせず、コツコツと努力したお陰か、焦りはありませんでしたが、それでも成績を落とせないと、中学2年生の頃より勉強時間を増やしました。
どこかで会う時は、無料で個室の勉強部屋がある図書館で勉強となりました。
わからないところを質問し合って分かったら黙々と各自に勉強していましたね。
会う必要あるのかと疑問に思ったが、普通に集中出来るので、まぁいいかと思考を放棄しました。
悔しいけど、貴方の言う通り私は鈍かったですね。
貴方は、あの時には既に私を好きだったのでしょう?
貴方は意地悪で、正確に私をいつ好きになったのかを教えてくれませんでした。
無事に受験も終わり、頑張ったご褒美として、貴方は2人で遊園地に行かないかと誘ってくれました。
この時、嬉しくてデートみたいだと浮かれました。
今までのもデートみたいだなと思いましたが、趣味友みたいな感じだった。
今回は、いかにもデートっぽい、初めてのお出かけです。
私は、遊園地を最後に行ったのは小学生低学年の時で、家族と行ったのが最後でした。
久しぶりの遊園地が楽しみ過ぎて、眠れそうにないなと思った時に、貴方から電話がありました。
貴方は明日が楽しみで眠れそうにないと話してくれました。
私も数年ぶりで楽しみで眠れないと正直に言いました。
少し雑談して、貴方の落ち着いた声を聞きながら眠くなってきた私は、半分眠りかけていた所でした。
貴方からは、眠れないけど、明日は色んな乗り物があるから早めに寝なきゃね。声を聞きたかったから電話しちゃいました。 明日を楽しみにしてるよ。おやすみ。
そうして、電話を切られた記憶があります。
私は、深く考える前に眠くてそのまま夢の世界に旅立ちました。
翌朝、あの時は落ち着いた貴方の声を聴いて深く考えずに寝たが、思い返せば、私の声が聞きたかったのは、どういうことでしょうか?
キャーと乙女のような声を上げて掛け布団を抱きしめてグルグルと寝転びました。
そして、私はある事を自覚しました。
私は貴方自身だけでなく貴方の声も好きなことに。
貴方が好きだと思ったのはいつだろうか?
急に自覚した感じではなく、徐々に好きになっていた気がします。
いつもよりオシャレを気にして出掛けようとした時に、呼び鈴が鳴りました。
こんな早い時間に何だろうと思いました。
父が対応して、私は呼ばれました。
呼び鈴を鳴らしたのは貴方だと知りました。
家まで来ると思わなくてびっくりしました。
両親に異性と出掛けると話してませんし...思春期特有の恥ずかしさはありましたね。
貴方からは急に家まで訪ねてしまい申し訳ないと言い、遊園地のイルミネーションまで一緒に見たいから、私が帰る時間が遅くなりますと、両親に挨拶をしてくれました。
両親に、前々から趣味が合う人と仲良くなっ事、毎回遊びに行く時も話していた。
ただ、男子とは一言も話さなかったけど...。
母は父の様子に察しながらも明るい声で挨拶し、父は少し複雑そうだった。
嬉しい事に、夜遅くまで出かけることを許可してもらいました。
貴方の誠実さのお陰でしょうか?
イルミネーションを見に行く事を聞いてなかったけど、貴方と長く一緒に居れると思うと嬉しかったです。
私と貴方は友達だと両親に話していました。ですが、両親は私達の様子に、いつからか恋人になりそうだ。そして、それが今日だなと思いながら、許可をしたらしいです。
私は、そんなことは思ってなかったが、そう思っていたのは私だけだったようです。
やはり、私は鈍いのですね。
私は意外にも絶叫系の乗り物を楽しめるタイプだったようですね。
苦手だと思っておりました。
乗り物が上がっていく時のドキドキ感と下がる時の疾走感で、自分が空を飛んでるみたいな多少の浮遊もあってとても楽しめました。
貴方は、絶叫系でも私が楽しめると知った時、嬉しそうにして全ての乗り物を制覇しようと言いました。
その時の貴方は少年のような、今から冒険しようと言われてるみたいな、表情をしておりました。
カッコつけの貴方の少年の顔が覗けて、ときめいておりました。
運良く混んでない日であった為に全ての乗り物に乗れた時は、達成感がありました。
お化け屋敷では、暗い場所が苦手な私にはすごく怖かったです。
夜の廃墟病院をテーマでした。
怖すぎて、ベタに声をあげる私に、貴方が笑いこらえずに声を大きくして笑ったことに、私は拗ねました。
拗ねた私に、細長く捻られた棒状の砂糖がまぶされた、パンみたいなお菓子を買ってくれました。
初めて食べたお菓子でしたが、とても美味しくて、怒ってたのを忘れてしまいました。
えぇ、単純だと心の中で笑ってるでしょうよ。
夕方、夕日が綺麗な時に大きな観覧車に乗りました。
狭い場所で二人きり。
今でも、緊張していましたが、観覧車が登り始めた時に日が沈む光景は綺麗で、景色に目を奪われました。
そんな時に、貴方は私の姓名で呼びました。
美しい光景から貴方に視線を移動させた時、今まででに見たことない真剣な表情を貴方はしてました。
何を言われるのだろうかとドキドキしてた時でした。
このシチュエーションで期待しない筈はなく、もしかして...と思いました。
ずっと前から好きです。
俺と付き合ってくれませんか?
貴方の顔が赤かったのは夕日のせいでしょうか?
私の顔が赤かったのは夕日のせいにしてください。
私もずっと前から好きです。
よろしくお願いします。
座ったまま頭を下げながら返事をしました。
貴方も続いて、頭を下げました。
観覧車で良かったですね。
他から見たら可笑しな光景ですよ。
頭を上げて、笑い合いました。
その時には、いつの間にか頂上に着いていて、外は薄暗くなり始めた頃でした。
色とりどりの光が一斉に着く瞬間。
綺麗だね
そうだね
下にゆっくり降りる時、私達は綺麗な光景に目を奪われた。
そして、貴方に手を握られました。
手汗が...と思う暇なく、温もりを堪能しました。
楽しい時間はあっという間に過ぎましたね。
家に帰る頃にも、ずっと手を繋いでました。
そして、私の家までキチンと送ってくれて、貴方は私の両親に付き合う事になりましたと、正直に話してました。
母は嬉しそうに、娘をよろしくお願いしますと言い、父は複雑な顔をして、清い交際を!! と念を押しておりました。
貴方は頭を下げて、大事にしますと言って帰りました。
まるで、プロポーズだなと思い、浮かれました。
後に、貴方はあの時には既に一生大事にする覚悟を持っていた事。それから繋がる発言だったと話してくれた時は、とても嬉しかったです。
そして、貴方は有言実行でしたね。
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