博打狂い狐と第3王女の能力

最近F◯Oと原◯が忙しくて更新が出来ませんでした。

ホームズ最高。

ソシャゲもひと段落ついたので更新を再開します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「さてと...タマモさん私は貴方にも同行してもらおうと思っている。けどさっきいきなり攻撃してきた君を何の備えもなく連れて行くのは流石に無用心すぎる。だから保険を掛けさせてもらってもいいかな?そうすれば安心して君を信じる事が出来る」


リーシアと話していたアンナ王女はウチに向かって保険を掛けさせて欲しいと提案してきた。

ウチはこの仕事を逃したらセクリトの奴にぶっ殺される身。

ウチは同行を許して貰えるなら多少の事はする覚悟はしとる。

やからウチは少し考え王女様の要求を飲むことにした。

まぁ一応保険の内容は聞いとかんとな、あんまりにも無茶なこと要求されたらかなわんし。


「ええよ、それでウチは一体何をすればあんたらに信じてもらえるん?」


「ああ身構えなくていい、やってもらうのは簡単な事。ただ『私はアンナとリーシアに危害を加えず、指示に従います』って私の目を見て宣言してくれるだけでいい」


「そんなんをただ言うだけでええの?」


「ああそれを言ってくれれば私達は君を信じる事が出来るんだよ。なぁリーシア!」


「......ええ、まぁそうなんじゃないんですか」


アンナ王女がリーシアに声をかけると不満タラタラな表情ではあったけど、一応はアンナ王女の発言を認めた。


おいおいマジかいな。

さっき襲いかかったウチを単なる口約束をしただけで信用するちゅうんか。

こいつらアホちゃうか?

今の殺伐とした世の中、皆自分の利益を守る事を優先しとる。

その為に相手を裏切ることなんて当たり前や。

同僚を友を家族を王国の民は目先の金のために裏切る。

ウチも今まで信頼していた連中に何度も裏切られてきた。

ウチが心の底から信じられるのはユウとセクリトくらいや。

それ以外の連中には契約書を交わすか裏切られる前提で行動する事にしとる。

今の荒んだ王国ではそれぐらいの用心をしとらんと命が幾らあっても足りひん。

それなのにこの王女は会ったばかりのウチを単なる口約束のみで信用するって言うとる。

は〜不用心にも程があるわ。

やっぱり貴族の中でも特に余裕がある王族様は緩いわ。

...まあ今回に限っては助かったわ、単に口約束するだけでええし。

やけどこの王女様との付き合いは考えた方がええな。

こんな緩い人じゃいつ他の人にバクリと食われるか分からん。

そん時に下手に近くにおるとウチも巻き込まれて大怪我するかもしれへんからな。


「それじゃあ時間も勿体無いし、ほら握手をしながら宣言して頂戴」


アンナ王女はウチに手を差し出してきた。

ウチはその手を取ってアンナ王女に言われた宣言をする事にした。


「ウチはアンナ王女とリーシアに危害を加えず、指示に従います。ほらこれでええんか?」


「うん、本当はもっと深い縛りをしたかったんだけど...実力の差を考えるとこれが限界だな」


「何を言って....!?」


その瞬間ウチは握っているアンナ王女の手から得体の知れない力がウチに流れこんできた。

これ以上手を繋いでるのは不味い!

そう思いウチは咄嗟に手を離そうとしたが力が全く入らず手を離せなかった。

そうしてアンナ王女から得体の知れない力がウチに入り切って漸くウチは手を離す事が出来た。


「お前ウチに何をした!」


ウチは剣を抜いてアンナ王女を斬りつけようとした。

だが....ウチの振り抜いた剣はアンナ王女に触れる直前で止まってしまった。

.....嫌違う。

止まったんじゃなくて、ウチが自分で止めたんや。

ウチは確かにアンナ王女を斬ろうとしたんやが、剣が体に触れそうになった瞬間体が勝手に動きを止めてしもうた。

こんなこと初めてや、一体どうなってるんや!?


「おいおい、いきなり剣を抜くなんて物騒だな。やっぱり保険をかけておいて正解だった」


「やっぱりウチが攻撃出来なくなったのはあんたの仕業やな!一体ウチに何をしたんや!?」


「ふふっ、簡単な事だよ。タマモ君はさっき私とリーシアに危害を加えず、指示に従うと言ったね?」


「ああそれがどないしたんや!?」


「どうせ軽い口約束だと思ったんだろうけど、私に対してその対応は間違いだったね。私とする約束は絶対に破る事が出来ないんだよ。それが私の能力『不破契約』だ」


「な、何やと!」


まさか単なる口約束がここまでの拘束力を持つ事になるなんて...なんて強力な能力なんや!

アンナ王女に剣を当てようと力を込めてあるけどびくともせえへん。

くそっ!どうせ契約書も交わさない単なる口約束やと思うて軽く口約束して失敗したわ!

これだけ危害が加えられんならもう一つの約束、指示に従うも有効なのは間違いないはずや。

どんな無茶な指示を出されてもウチは逆らえんかもしれん。


「アンナ様ちょっといいか?」


「ん、なんだい?」


するとそこまで黙って成り行きを見ていたユウがアンナ王女に声を掛けた。


「タマモが襲いかかってこない様にするために保険をかけるのは必要だと思って黙って見ていたけど...その能力はいつまで効力があるんですか?一生とか言われると流石に少し問題があるんですけど」


「ああ安心してくれ、私とタマモにはかなりの実力差があるからそんな長い事効力は続かないよ。そうだな....大体2日もすれば効力は切れると思うよ」


「あ、そうですか。ならこのままで問題ないでーす」


「ちょ、ユウ!?そんな殺生な!もっと抗議してえな!」


「いや面倒い。それにこのままの方が相手に要らない警戒しないでもらえるから仕事がスムーズに進むからこっちの方がいい」


「ええ!!そんな!?」


「それじゃあ仕事の話をしましょうか」


「そうだね、それじゃあ立ち話も何だし店に入ろうか」


ウチの抗議を無視して皆店に入って行った。

むー!ウチを無視すんなや!

ウチは先に入ったユウの背中を追って店に入った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る