第3騎士団副団長と悪巧み

ちっ、あのくそ女いい気になりやがって。

俺フージスは機嫌良さそうにこの場から立ち去るリーシアを睨みつけていた。

あの女は最初に会った時から気に食わなかった。

貴族の生まれでもないたかが一般人がこの高貴な生まれの俺様と同じ騎士っていうのがそもそもおかしいんだ。

それだけでもムカつくっていうのに...あいつは俺様が少し女で遊んだだけなのに上司にチクリやがった。

この俺様が少し女を食ったからって何が問題なんだ。

騎士である俺様が身を張っているから市民共は安心して暮らせているんだ。

女を食うぐらいの役得があってもいいだろうが!

そもそも貴族の俺様が平民共に何をしようが勝手だろうが!

それを大袈裟に上に伝えやがって....!!

そのせいで上司にこの件をもみ消してもらうために頭を下げる羽目になったし、大きな借りも作ってしまった。

この高貴な生まれの俺様があんなくそジジイに頭を下げる事になるとは....なんて屈辱だ!!

この日から俺様は自分が受けた屈辱を何倍にもしてリーシアに返すことにした。

まず俺様の情報操作能力をフルに活用してリーシアの悪評をばら撒いた。

実物のリーシアとは180度真逆な、仕事に不真面目で汚職をしているなど根も歯もない噂だ。

だが根も歯もない噂も数が揃えば力を持ち始める。

次第にリーシアに対する不信感が騎士団に漂い始めた。

そのタイミングで俺様は実家の力を使いリーシアの汚職をいくつかでっち上げた。

まぁどれも軽い罪や証拠がない罪が精々だったがそれで充分だった。

貴族の俺様の主張にNOと言える奴は殆どいない、直ぐにリーシアは幾つもの罪を犯した事になった。

実際にリーシアが罪を犯した事で悪評に信憑性が出てリーシアは完全に騎士団の中で孤立した。

更にリーシアは俺様がでっち上げた罪のせいで騎士の出世コースから完全に外れ、花形であった街の警護の任から外されて辺境の魔物狩りの仕事に転属になった。

辺境の魔物狩りなど配置された新人は直ぐに死ぬ事で有名な、不人気ぶっちぎりの死地。

何せ配属された新人が一年間生き残る確率が3割を切るというとんでもない職場だ。

これでリーシアも直ぐに死ぬだろう。

そう思いリーシアが辺境に旅立つのニヤニヤしながら見送った。

だがあの女は俺様の予想とは裏腹に辺境での過酷な環境を生き抜いた。

それどころか辺境の過酷な環境で戦い続けた事で俺達同期の中で一番早く位階が上がり一人前とされる4位階になってしまった。

位階が4になると身体能力も強い上に能力が開花するので貴重な戦力になるから王国で優遇される。

その為リーシアは王都に帰って来やがった。

あの時の悔しさは忘れてられねぇ。

それからも俺は実家の力を使って裏家業の人間を雇い襲わせたり、周りに根回しをしてキツイ仕事しか回らないようにしたり、手当のつかない残業をさせまくる、備品を壊した事にして給料を減俸させたりなどをして心身共にボロボロにしてやろうとした。

あいつは能力のせいで以上に精神肉体共に以上にタフだから俺様の想定以上に嫌がらせに耐えていたが....流石にずっと嫌がらせされるのは堪えるのか最近は疲労を隠せていなかった。

これでようやくあの女を排除出来る、そう思っていたのにくそっ!

なんだよ王女の専属騎士って!

今まであいつに王族と関わりなんて一切無かったぞ、それがなんでいきなり専属騎士になってんだよ!?

専属騎士は高位の貴族が気に入った騎士を専属で雇う制度。

貴族共は警戒心が強い、見ず知らずの騎士を態々雇う事なんて絶対にない。

つまりどこかでリーシアと第三王女に繋がりがあるってリーシアが第三王女に気にいられたってことだ。

くそっ!いくらなんでも王族のお気に入り相手に今までしていた嫌がらせをするのは余りにもリスクが高すぎる....。

俺様が関与した事がバレたら下手したらお家取り潰しなんて事になるかもしれねえ...。

だが!俺様の邪魔をしてきたリーシアをタダで済ませてたまるか。

バレない様にやればいいんだよ、バレないように。

ふふ、ついさっき仕込みも終わった。

精々束の間の優越感感に浸っているんだな、リーシア=バル。

もう直ぐお前に俺様が味わった屈辱を何倍にもして返す、お前には女に生まれた事を後悔する様な目に合うだろうな。

ああ〜やばい楽しみすぎて今にも爆発しそう。

うう駄目だ駄目だ!!

今直ぐに行動を起こしても失敗する可能性がある。

今回の為に入念に準備を進めてきたんだ、確実に成功する日まで我慢しないといけないな。

しょうがない、運命の日が来るまで他で俺様の欲望を発散するとするかな。

丁度いい奴隷が手に入ったんだよな。

あいつは痛めつけると凄いいい声を出すんだよなぁ〜。

それに首を絞めながらやると最高にいい反応をしてくれる。

リーシアへの準備が整うまでの数日、あいつで思いっきり発散するとするかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る