時の流れに身を任せぇ、周りの価値に流されてぇ

 こんにちは&こんばんは。

田舎ライフ3年目、そろそろ(たぶん)慣れつつある嫁、小烏です。


 いきなりですが、この辺りは比較的保守的な土地柄です。特に義母世代は昔からのやり方を姑から習い守っています。おそらく明治、大正、昭和初期の価値観がまだ色濃く残っています。


 例えば結婚式の後十日ほどの間にご近所さんがお祝いに来られるのですが、その時お嫁さんが接待に出ないと帰ってから(苦情が)大変です。最近はお嫁さんもお仕事をされているので、休んでまで接待はされませんし同居していないところもあります。なかなか昔のようにはできません。


 コロナ前までは義母のお友達がよく来られていました。居間に上がって行かれることもありましたし、縁側でお茶をされることもありました。ガスの集金の女性が義母のお気に入りで、彼女が集金に来られたら洋間(ちょっとした来客のための部屋。ほかに親戚や行事の時に使う『おもて』と呼ばれる二間続きの和室がある)に上がってもらってお茶を出して一時間ほどおしゃべりをされていました。

 

 そんなときのお茶にはもちろんお茶請けが必要です。拙作の「小烏さんちの台所」をお読みの方はどんなものがお茶請けかご存じでしょう。まずは手作りの物、煮しめだったり、漬物など。手作りでも肉、魚が入ったものは出しませんし、ケーキなどのお菓子類も何故か出しません。買って来たお菓子(有名どころの洋菓子でも)は最終手段。何もない時に申し訳なさそうに出す物なのです。


 また、真夏の地区の道掃除には、持ち回りでむぎ茶(でっかいヤカンで)とコップをもって当番の主婦がなぎらいにでます。ここにアイスクリームが付くと、あそこのうちは気が利くと評判になるのです。


 まあ、そんな感じでなんと言いますか、義母たちはそういう「常識」で育った世代なのです。


 そんな価値観の中、義母は夏に外出するときは急須で入れたお茶を持って行っていました。最初は素敵な魔法瓶の水筒を買っておられました。比較的大きなサイズでした。それがだんだん重くなったらしく、半年ほどで小さいサイズに買い替えました。しばらくしてその水筒も重くなったと言って百均で買ったプラスチックの容器に替わりました。


 また、コロナで来客が減ったのもありますが、仕事で来られる方たちが今までのような接待のお茶を断られるようになりました。特に役場のスタッフさんは今でもお断りになります。仕方がないので、ペットボトルのお茶と個別包装のお菓子をお土産にお渡ししています。

(どうもお茶の接待の習慣は止めたくないようです)


  以前は「お茶を買うなんて」と否定的だったペットボトルのお茶ですが、最近の義母はこっちの方が楽でいいと好んでおられます。上記の夏の道掃除のお茶の用意も、去年からペットボトルになりました。夫の職場の会議も町内での集まりに出されるのも、すべてペットボトルのお茶になりました。少しずつ習慣も変わっていっているようです。


 我が家や集会所にはいくつも大きな急須があるのですが、もう出番はないのかもしれません。


 


 




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