義母と歩くレジへの道
こんにちは&こんばんは。
田舎暮らしと田舎の嫁初心者の、小烏です。
今日は一部でアイドル(?)の義母のお話しをしようと思います。
義父を10年ほど前に見送り、それからは義母が一人で田舎の家と畑と田んぼを管理しいました。義父は昔ながらの亭主関白なタイプだったのでいろいろ苦労をしたそうです。ご近所の女衆の集まりの時に、みなさんそう言われていたので本当に大変だったのでしょう。
義父が亡くなって一年は気持ちが沈むことも多く、小烏夫婦は毎週末帰省していました。三周忌が終わったころからはお元気になって、お友達のところに行ったり、来てもらったり。農協の旅行にも季節ごとに参加しておられました。「バスで行く四国お遍路の旅」には、ご自分で書かれた般若心経を手に三回参加されました。
今が一番楽しいと言っておられたので、やっと自由に動けるようになったのかなと思っていました。
そんな義母が二年ほど前に軽い脳梗塞で入院、右手足が少し不自由になりました。
歩くのに右足を引くようになり、車の運転は出来なくなりました。
田舎は車がないと買い物も友達のところへ行くことも出来ません。
習字が趣味で師範クラスだった義母ですが、右手が思うように動かなくなったからと習うのを止めてしまいました。
それまで健康優良児(?)で同世代では一番で若々しいと評判。
地元のいろいろな集まりには必ず参加して忙しく飛び回っていた義母ですが、足を引くようになって「こんな姿を見られたくない」と引きこもってしまいました。
自己肯定感も低く、味がしなくなったと食欲も落ちていきました。
友達に誘われて通っていたスイミングも止めると言いましたが、リハビリになるからと小烏夫婦で強くすすめて続けることになりました。
あるフィットネスクラブがスーパーの一角で「送迎付き買い物リハビリ」をされているのを見つけ、地区の包括支援センターの方にお願いして(該当地区以外でしたが)通えることになりました。
そして一年後、単身赴任だった夫がリタイヤしてUターン。
小烏も半月ごとに帰省していたのですがそれでは間に合わなくなり、仕事を辞め(T^T)遅れてIターン。
外を歩くときは意地でも杖を使わなかった義母が、去年二度医者にかかるような転倒をしてやっと杖を使うようになってくれました(使ってくれますが、基本的にはイヤな様子です)。
この冬の間はコタツの守りばかりで出歩くこともすっかり減ってしまってしまいました。そのためかコタツから立ち上がるときにも、かなり時間がかかるようになってしまいました。
春になり久しぶりの畑仕事も、秋のように長時間は難しく休み休みされています。
けれど畑については相変わらず情熱的で、どこになにを植えるのか夫に設計図を作らせ張り切っています(実働は小烏夫婦ですが)。
夏野菜も茄子、オクラ、トマト、ピーマン、キュウリ、ゴーヤ、モロヘイヤ、カボチャ、ズッキーニ、パセリ、バジル、里芋の植え付けは終了。ズッキーニとキュウリはそろそろ実り始めています。この冬失敗した小松菜はリベンジに種まきをしました。
大きくなったジャガイモの脇芽を取るか取らないかで夫と揉め(夫は取らない派、義母派取る派)、キュウリの棚の高さに注文をつけ。(もう片付けてしまいましたが)スナップエンドウの棚に添え木の本数に指示を出します。
それでも日常生活ではなかなか冬の間細くなった筋肉は復活しません。
買い物つきリハビリでも脚力を維持できないようなので、行った先で長く待つような用事(歯医者とか)でなければリハビリになるからと義母を連れ出すようにしています。
県庁所在地まで本や家電を買いに行くのも。
ちょっと気になるカフェに行くのも。
日々の買い物にスーパーにもできるだけ一緒に行きます。
ゆっくりゆっくり、義母は食品フロアの通路をもれなく回ります。カートを押す義母に合わせて歩いていると買い物に時間がかかります。ちょっとアソコを見てきたいと思っても違うフロアだと気兼ねしてしまいます。
長く歩くショッピングモールだと座れる椅子をまず探すことから始めます。
ある日思いました。
これって似たようなこと前もあったよな。この思うに任せない感じ、なんだっけ?
そう!
あれはお腹に赤ちゃんがいた日。
長く歩けなくて椅子を見つけては休憩したっけ。
そう!
あれは子どもたちがカートに乗るのを嫌がって、押すと言ってきかなかった日。
一人の子を小脇に抱え、もう片手で子どもの押すカートが暴走しないように抑えていたっけ。
あの時も、身動きが取れず、買いたい物も買えず。自分の買い物は後回しで。
今日も義母と行く買い物は、通路越しに見え隠れするレジまでが遠いです。
ゆっくりゆっくり通路を歩き、たまに義母の友達に会って立ち話をして、時間が押して買い物メモに買い残しが出て。
義母は今日もゆっくりゆっくり、カートを押しています。
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