余談 暇を持て余した神様の遊び
えー、突然ですが私は神です。そう、この世界の創造主です。
最近の流行りに乗って趣味をやってたら、ドエラいことになりました。
いや神ってさ、暇なのよ基本。適当に白い虚無の空間みたいなとこに色んな神様がいて、食っちゃべったり寝たりしてる存在なのよ。ちょ~暇で死にそうになってたんだけど、最近はみんなで面白い遊びしてんのよ。
それが『世界創造』ね。好きなよーに自分の世界作ってさ、星動かしたり生命育ててみたり思いっきりぶっ壊したりして遊べる良いゲームなの。特に今は「人間」って私達に見た目似てる生命体を作って、それを観察する遊び方にみんなハマってんのよ。
大量に人間作って、それぞれの思考を独立させて動かすと色々予想外のことやるから見てて飽きないんだなこれが。人間が作るものや考えとかも私達神には思いつかないことポンポン生み出してくれるから万々歳。
自分の世界を見せ合うのが神様のトレンドだから試しに私も一個世界作ってみたんよ。そしたら超面白いもん出来ちゃったの。
※※※
とりま、世界作りベテランの神様に聞いて作ってみたの。
「人間自律思考と物理法則初級インストール完了したから、次は詳細設定か。ええっと、魔法オン、亜人種族オン、モード『人間生存アドベンチャーモード』っと。整合性と高度な精確演算機能……はいっか」
なんかここで適当に設定しちゃったせいで、人間の思考処理とか物理システムの動作がガバガバになっちゃったらしい。
「よーしじゃあスタート!」
だけど結果的にこれが面白い世界作りにつながったんよ。
※※※
「おお~このエーデルハルトって勇者凄いなぁ。結構パワーバランス人間と魔族でヤバかったのに魔王倒しちゃったよ」
すっかりこのゲームにハマって、私は人間の観察を続けた。人間が魔族や魔物と戦ってるとこって見ててハラハラしたり、ワクワクする。
その中でも私は、このエーデルハルトが見ていて一番のお気に入りだった。
「あっ、エーデルハルト死んじゃった。もったいないし、後で復活させよ。2000年ぐらい後の世界に飛ばして、どんな反応するか見てみたい」
ついでにその間の過程を私も敢えて見ないでおいて、エーデルハルトが復活したところから観察再開しよ。
「ただ思ってたより派手さがないな……そうだ! 力と魔法の数値デカくしてもっと凄い世界に拡張すればいいじゃん」
数値は設定面倒だし、おまかせ拡大で良いや。
「じゃあこのエーデルハルトって人間が目覚めるまで時間加速させよ」
※※※
そしてエーデルハルトが復活後、私は大爆笑した。
「ぎゃははははははは! なにこれ面白い」
エーデルハルトが復活した時の反応から、なんか設定がおかしくなった世界がとてつもなく面白いことになってた。レベルの数値が全然違うんだけど。
「エーデルハルトのメンタルボロボロじゃん。なんか2000年前より精神年齢幼くなってるし、しょっぱなから積んでて草。これどうなるんだろ」
※※※
それで皆に見せて見たところ、これが大ウケした。
「えええーまさかのレベル上げ不可能!?」
「こひゅぅ、こひゅぅ、こいつ浮気し過ぎだろ」
「あひひひひひ、ダチョバ特攻してるぅ!」
「亜人族が滅んだ理由の異世界、これ確かタケシのとこの世界だろ。アハハハハハ」
神様達、腹抱えて転げまわってたよ。みんなして私の世界を鑑賞しては、エーデルハルトの珍事を見て泣くほど笑い尽くした。
※※※
「最後叫びながら爆発ー!! 爆発オチなんて最低。アッハッハッハ」
2000年後の世界で活躍したエーデルハルトの最期を見ながら私は今まで以上に大笑いした。
「よし、また転生させて地獄見せたろ。魔王もセットで蘇らせたらきっと面白いぞぉ」
まだまだ私はこのゲームは飽きそうにないっぽい。しばらくはこのエーデルハルトで遊ぼー♪
元伝説勇者の弱くてニューゲーム〜2000年ぶりに復活したら世界がインフレし過ぎて底辺冒険者になっちゃいました〜 白神天稀 @Amaki666
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