穴があったら入りたい

「よもやよもや……!」


 はい、すみません。


「恥の多い生涯を送ってきました……」


 めそめそ。


「してんじゃあねえええええっ!」


 怒涛の流れ、失礼いたしました。


 もはや真面目なのかネタなのかわからない、要するに方向性が定まらないエッセイと化しております。


 それでも読んでくださる方がいらっしゃるのは、うれしいことです。


 プライベートでいろいろと労苦が重なり、卑屈になっていたんです。


 こんな状態を克服する方法も、古来より賢人たちは模索しているのですね。


 それほどに人間とは切り離せない衝動なのか……


「負の感情や衝動は、みずからが作り出している」


 これは哲人皇帝と呼ばれた、マルクス・アウレリウスの思索です。


「外を見ればキリがない、ならば内を見つめよ」


ということですね。


 結局哲学って、表現形式が異なるだけであって、だいたい同じことを言っているようなんです。


 ゆえに物事の本質であると。


 なので「向き合う」とは、時代遅れのトレンドなどでは、やはりないと思うのですが。


 人間がここからどんどん遠ざかっていくとすると、人類の未来は……


 前回このエッセイの話題を募集したところ、なかとさんから返信をいただきました。


「これからの世代へ向け、社会をよくするためのアドバイスなど」


という趣旨でよかったかなと思います。


 なかとさん、ありがとうございます。


 これは希望的観測ならぬ、いわば「絶望的観測」で恐縮なのですが、


「システムをいかによくしても、使うものがよくなければ、すなわちよくはならない」


 誰の考えか失念してしまいましたが、近代以降の社会哲学か何かだったと思います。


 これはやはりというか、


「道具とは使うもの次第である」


に帰着するのかなと。


「悪とは凡庸である」


 こちらは政治哲学者ハンナ・アーレントによる、比較的有名な考察です。


 ここではアイヒマンを念頭においているのかと思われますが、


「何をもって悪であるか」


はともかくとして、ほかにもマックス・ウェーバーなんかも


「官僚的な支配」


という分類を置いていますし、まとまりがなくて申し訳ないですが、要するに


「機械よりも機械のような人間」


 血のかよっていない人を指して、


「機械のような」


とよく言いますが、


「みずからの役割をまっとうしているだけ、機械のほうがマシ」


というため息の出る結論になってしまいます。


「コンクリートから人へ」


なんてありましたが、


「コンクリートですら、みずからの役割をまっとうしていると仮定すると、じゃあ、人間はどうなのよ?」


 はあ……


 これでは循環論法ですね。


 支離滅裂な感じですが、ぜんぶ中身は同じであって、


「悪に向き合わい心にこそ、悪は宿る」


という、最初のマルクス・アウレリウスに戻ってしまいます。


「人間は残酷な機械である」


とジャン・コクトーが言ったらしいですが、むしろ


「残念な」


なのではないかと。


 えらい人間批判をしておりますが、本来「批判」とは「吟味」のニュアンスであり、決して「非難」ではない、ことを祈ります。


 こんな偉そうなことを言っている自分ですが、


「隣人への義務を怠って、遠方の人々を心配する世界主義者に警戒せよ」


というルソー先生のおしかりを思い出し、


「人のことを言える立場か」


と、また巣に戻るという


「恥」


をさらしているわけです。


「存在の中では最強であり、存在としては最弱である」


 人間って、なんなんですかね。


「未来をよくする」


ひいては


「人間になる」


というのは、永遠のテーマであり、永遠の苦行と言えるかもしれません。


「それでもやりますか? それとも人間、やめますか?」


 なかとさん、すみません。


 誓って他意はないのですが、


「答えがあったら苦労しない」


いっぽうで、


「答えがないからこそ、活路もある」


なのではないかと。


「指をさされて、わたしは死にたい」


 これが人間の本懐なのか……


 ネガティブにすぎますが、これは「ホワイト社会」で嫌われるわけです。


 約束の日は、近いのかも?


 ではでは~

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