ルールがあると破りたくなるのは人情?

 レッドラインを越えてしまう方が、最近とみに多いような気がします。


 ご時世とはいえ、迷惑をこうむる方にとり、たまったものではありません。


「人間は『禁止』に対して、『侵犯』の欲求を本質的に持つ」


 これはフランスの思想家ジョルジュ・バタイユが考察したことです。


「ルールがあると破りたくなるのが人情である」


ということですね。


 これは哲学的な領域での話だと思いますが、生物学的・心理学的にはどうなのでしょうか?


 そちらにも興味がわいてきますね。


 たとえば


「異世界転生した主人公が好き放題にする」


小説なんかが受けるのは、この衝動に起因するのではないかと、バタイユ先生の考えを前提とするのなら、理解できそうです。


 そしてそういう傾向の小説に需要があるのは、単純に


「そういう思考回路の人間が多い」


ということかもしれません。


 対して、といえるのかわかりませんが、


「向き合う系のコンテンツ」


の需要が前者よりも少ないのだと仮定すると、


「そういうこと」


としか言いようがないでしょう。


「ナタの重さにカミソリの切れ味」


 たかがボヤキ、されどボヤキです。


 バタイユ先生にとってはフランスの先輩に当たる人で、有名なサド侯爵がいます。


 で、先生いわく


「彼ほど負の感情・衝動について知りつくした人物が、ついにはそれに打ち勝つことはかなわなかった」


 「禁止」について知りつくしていたとしても、「侵犯」に打ち勝てるかどうかはまったく別の問題、なのかもしれません。


 おそろしいことがあるものですね。


 今回は短いですが、このへんで失礼いたします。


 次回のテーマは何がよいでしょうか?


 もしリクエストなどがございましたら、コメント欄に書いてくださると幸いでございます。


 ではでは。

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