世間は国語の教師ではない

 なんだかどんどん趣旨がズレていっているような気がするにもかかわらず、読んでくれている方がいらっしゃるようでうれしいかぎりです。


 前回はさすがにかたくなりすぎた感があるので、今回はちょっと箸休めっぽくしてみたいと思います。


 ホリエモンと林真理子さんが対話しているのをYouTubeで見たんですが、最近は文章を読むのが難しい方が急増しているんだとか。


 オブラートは必須な世の中ゆえ、ご理解ください。


 自分も自信があるわけではないので微妙ですが、いわゆる「論理的思考」以前の問題が起きているようですね。


 増えてきているといっても、一部が目立っているだけで、全体から見れば少数派なのかもしれませんが。


 こればかりは、統計を取るのが難しいかも。


「世間は国語の先生ではない」


 とはいえ、ねえ。


「神は自然数を作った。それ以外は人間が作った」


 これは数学者クロネッカーの言葉ですが、


「人間は道具を作りすぎた」


のかもしれません。


 その結果、


「道具を使うのではなく、使われるようになった」


で、たとえばときどき


「包丁の使い方を間違える」


人がいるようです。


 マルクスによれば、


「道具とは人間の欲求の投影」


であって、たとえば


「空を飛びたいという願望が、飛行機を作った」


であるならば、


「魚をさばきたいという願望が、包丁を作った」


とすると、皮肉なことに


「魚や肉以外のものをさばいてしまう」


という、目も当てられない事象が起こるわけです。


「道具とは使う者次第である」


 これは小説の中で出したセリフですが、しまいには


「ぜんぶ道具に考えてもらう」


になって、


「願いをかなえるために道具を作る」


ではなく、


「道具で願いをかなえてもらう」


という、不文律だか自己矛盾だか二律背反だか、とにかく


「道具に使われる人間」


が、水に入ったグレムリンよろしく、大量発生しているのかも。


 人のことは決して言えませんが。


「人差し指を向けたとき、残りの4本は自分を向いている」


ですね。


 ここで前回を受ける形になりますが、人間の作り出した最強最悪の道具といえば、


「実体を持っていないのに、確かに存在する」


あるいはそれは、


「人間の精神に巣食っている」


 つまりは


「基準という概念」


あるいは


「概念そのもの」


すなわち


「ものさし」


ですね。


 そのうちこの「概念」は、人工知能にでも宿るんではないかと。


 クラウドとは要するに、


「概念の雲」


な気もします。


 あわわ、スカイネット……


 しかしマトリックスみたく、そのほうがいいという方も?


「嘘っぱちでも信じれば真実になる」


 この間しりぞかれた某プレジデントを思い出しますね。


 SF小説よろしく、そのうちマジで


「本が火炎放射器で焼却される」


ときが来るのかも。


「考えてもらっては困る」


人が、雲の上には存在するのでしょう。


 あまりこういうつっこみは好まないのですが、旧約聖書においての「金の牛」が、いまも脈々どころか、パワーアップにアップグレードしまくりで、漢字四文字の「あれ」に大化けしたような。


 よろしくないお方対策として、このへんにしておきます。


「奴隷は好んで奴隷になる」


って誰の言葉か失念しましたが、


「奴隷は結託できない」


という現実はおそろしいですね。


「みんなで力を合わせて」


は悲しいかな、しょせんフィクションなのかもしれません。


 なんかえらい長くなってしまいました。


 これでは国語の先生でも読む気をなくしますぞ。


 箸休めにならず、申し訳ありません。


 こんなことならいくらでもボヤけそうです。


 それだけ年寄りになったとう証左なのか。


 はあ。


 出るのはため息ばかりです。


「本当に愚かだったのは、われわれだ」


とならないよう、精進いたします。


 次回はバタイユを引き合いに、「禁止」と「侵犯」のお話しなんかどうですかね?


 ではでは。

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