第91話「漫漫汗汗」

「漫漫汗汗。これは広々としてはてのないことを意味する言葉だ」

「まんまん……(笑)」

「何にやにやしてんだよ」

「いや、なんかかわいいなぁって思って……」

「は?意味わかんねーよ!」

「だってさっきからずっと『まんまん』って言ってるじゃん!あはははは!」

「うぜぇなもう!俺が言ったらダメなのかよ!?」

「えへへ……だめじゃないですけどぉ〜(照)でもなんかかわいいなって思って……」

「お前もおんなじこと思ってんじゃねぇか!!」

「だってかわいんだもん♡」

「うるせぇ!!いい加減にしろ!!」

「あははっ!」

「あははじゃねえよ!!」

そんなこんなで2人は、いつものように仲睦まじくお喋りをしていた。

2人が出会って早1ヶ月。

「あー楽しかった〜」

「そうだな。そろそろ帰るか?」

「うん!」

そして2人は帰り道へと着いた。

「また明日な!」

「うん!バイバーイ!」

「おう!気をつけて帰れよ!」

「わかってますよ〜!」

(ふぅ……今日もいい日だったなぁ..)

彼女は彼の背中を見つめながらそう思った。

ガッシャーン! 彼が何か大きな塊に吹っ飛ばされた。

「え…?」

彼女は呆然と立ち尽くした。

その光景を見た瞬間、頭が真っ白になった。

「あ……ああ……」

彼はピクリとも動かない。

全身血まみれだ。

「ひゃっ……」

彼女はその場に倒れ込んだ。

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