第77話「禅問答」

「もう禅問答など飽きたわ」

住職が嘆息した。その瞬間、大治郎の体が音もなく動いた。大治郎は間合いをつめると、無造作に、いきなり、袈裟懸けに斬りおろしたのだ。だが、これこそ、この男が得意とする剣であった。

「むっ……」

と、住職がうめき声を発して、片ひざをつくや、前のめりになって倒れ伏し、そのまま動かなくなった。

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