第78話「新聞記事風国際女性デー」

3月8日は「国際女性デー」。東京でジェンダー平等の実現を訴えるイベントが行われた。「全国民の問題」と訴える女性たちの声が響いた。マスコミの取材に実行委員長のA本かおりが対応する。

「日本は世界の中でも男性中心の国ですからね。女性の視点がないんですよ。女性がもっと主体的に発言していかないと変わらないと思いますよ」

今回は約700人の参加があったという。

「私たちが先頭になって、まずは一歩を踏み出すために開催しました」

A本かおりはそう話していた。

「デモに参加するようになって3年目になりますけど、どんどん増えていますよね。いろんな団体が参加してくれて嬉しいですね」

実行委メンバーである主婦のR子さん(41)は笑顔を見せた。

「やっぱり、コロナでいろいろ大変だし、ストレスもあるじゃないですか。だから発散する場が必要だと思っています」

R子さんの夫は大手電機メーカーの営業マンだが、新型コロナウイルスの影響で営業先が激減。収入が減ったことで家計は圧迫されているという。R子さん自身はパートで働きながら子育てをしている。

「うちも主人の収入減なので、正直、家計は厳しいですよ。でも、子どものためだと思うんです。子どものためだったら我慢できます」

イベントにはLGBTQ当事者やその支援者らも多く参加した。参加者の一人、会社員の女性(36)は語った。

「私自身、レズビアンなんですけど、最近は、同性婚とかパートナーシップ条例ができたりと変化があるなかで、自分のセクシャリティについて考えたりしています。昔、私はレズビアンだって周りにカミングアウトしたことがありました。そしたら『気持ち悪い』『変なこと言わないでほしい』って言われたことがあったんです。でも今は、そういうこと言ってくる人はほとんどいないですね」

複数の参加者がステージに上がりマイクを握りしめ思いを語った。

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