第64話「百合漫画の面白さは付き合うまでがピーク問題」

百合漫画の面白さは付き合うまでがピーク問題。

この二人……一体いつから付き合っていたんだろう?その日、放課後になって僕と直哉君はいつも通り図書室に向かった。今日も僕はカウンター当番で、直哉君が本の整理だ。………………ん?ちょっと待てよ。

これってよく考えたら……僕のせいじゃない!? 今更気付いたけど、そうだよね!そうだったよね!! だって、直哉君のお母さんに告白された時、僕なんて言ったっけ!? あぁぁぁぁぁ!!!やばい!!これはやばいよ!! どうしよう!? とりあえず謝るべきなのかな!? でも、なんて言えばいいのかな……。ごめんなさいじゃなんか違う気がするし……。

えっと……えっと……。

うーん……。

あぁぁもうわかんない!!……こうなったら、直接本人に聞くしかないか……。

よし、聞いてみよう。

「ねぇ、直哉君」

「何?」

「あのさ……」

…………あれ? なんだろ。声が出なくなったぞ?なんでだろう?

「どうしたの?顔色悪いけど大丈夫?」

「え!?いや、なんでもないよ!」

あぁぁぁぁ!!言葉が出てこないぃぃ!! ど、どうすればいいんだ……。……あ!そうだ!確かこういう時はメモ帳に書いて相手に渡すんだったはず! えっと……確かポケットの中に……。あった!よし

「あのね、直哉君」

「うん」

「実は昨日の夜のことなんだけどさ……」

「うん」

「僕の部屋にお化けが出たんだよ!!」

……あれ?おかしいな。全く反応がないぞ?

「そっか、それは怖かったね」

あぁ!やっぱり全然信じてないじゃん!そりゃそうだよね!こんな嘘信じる人いないもんね!くぅぅ……。仕方ない。ここは一旦退散して、明日もう一度同じ話を持ち掛けてみよう。

結局その話はなかったことになった。

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